170505「正体不明のダ-クエネルギ-」

 

「講師概説」

宇宙の大きさは、20世紀初め頃までは永遠に変わらないと考えられていた。1929年アメリカの天文

学者ハップルが銀河の観測から、どの銀河も距離に比例した速さで遠ざかっていると発表した。

つまり宇宙は膨張を続けており「ビッグバン理論」の証拠となった。では、その膨張を加速させている暗黒エネルギーの正体とは何か。多くの研究チームが、宇宙の終末の運命を明かそうとしている

今日は、宇宙は膨張しているという事とその原因について話す。これは昔から分かっていたことではなく、19世紀まで宇宙は静的なものと考えられていた。膨張している動的な宇宙と言う概念は

20世紀になってから分かってきた。

人類最大の物理学者と言われる、かのアインシュタインさえも最初は静的と思っていた。

「宇宙は膨張している」

アレクサンドル・フリードマン(ロシア)が「宇宙は今も膨張している」と主張した。これは,ブドウパンを焼く時のようにどこから見ても、膨張していると考えると分かり易い。

ハッブルが1928年に、遠い銀河は地球から遠ざかっていることを発見した。しかしここで誤解してはならないことは地球が宇宙の中心ではない事。どの銀河も全て地球から遠ざかっているように見える仕組みがあるのだ。

ハッブルは、フリードマンの説を、観測によって実証したのである。

これらの事から、重要なことが分かってきた。今も膨張しているという事を逆に考えると、昔はどんなだったかという推測が出来るようになった事である。宇宙の過去は小さかったのだ。

(ハッブル)

アメリカの天文学者。我々の銀河系の他にも銀河が存在することや、それら遠方の銀河が地球から遠ざかっていることを発見した。現代の宇宙論の基礎を築いた人である。

「過去の宇宙」 μ波の観測

前に宇宙は、インフレ-ションという急激な膨張で、Big bangを起こしたという話をした。Big bang

理論を実際に検証する研究がある。「Big bangがあったとすれば、当時高温だった宇宙であったので、その証拠があるはずと」そして、「放たれた赤外線をマイクロ波で観測できるはず」と考えたのが、ラルフ・アルファとロバ-ト・ハ-マンという宇宙論の研究者である。この論理は、物理理論で言うと「ドップラ-効果」である。赤外線の光が宇宙を旅して地球に到達すると、波長の長いμ(マイクロ)波になる」という理論を考えた。最初は赤外線であるが、宇宙は遠ざかっているので、ドップラ-効果に

より、波長の長いマイクロ波になると考えたのである。

そして、ベル研究所のベンジガ-とウィルソンの二人が、電波望遠鏡を使ってこのμ波を受信して、

これがBig bang証拠となった。これを宇宙マイクロ波背景放射という。

(μ波のゆらぎ)

次に「μ波のゆらぎ」がないのかという事が天文学者の興味となる。コービ-が人工衛星を使って、「ゆらぎ」を観測した。そして天文学者たちは、「ゆらぎ」の分析に集中していく。「ゆらぎ」は物質の

量の大小を表していると考えられた。

「現在の宇宙」

簡単に言うと、フランスパン状態である。空間と実の部分が混在している。宇宙空間の殆どは空の

状態で、ボイドという。

これを形作っているのが、何らかの物質、例えばダ-クマタ-が関係しているだろうといわれる。元々ダ-クマタ-(暗黒物質)は偏在している。重力は質量が大きいほど、より強く働く。よって質量が

大きいものは物質をより集めることになる。

「宇宙はこの先どうなっていくのか」

講師が大学生の頃は、宇宙はBig bangから始まって、ドンドン大きくなって、ある一定の大きさに達したら、重力がより優勢になって、宇宙は小さくなる。小さくなると、又Big bang起きて膨張する。

この繰り返しだと教えられた。

しかし今はそうではない。1998年タ-ルムッタ-(理論天文学者)が膨張は加速している、何かの

力が働いていると説明した。この膨張するエネルギ-は何だろう。→現在は全く分かっていない。

「学生からの質問」

何も実証されていない、ダークマタ-を理論の基礎に据えているのはおかしいのではないか。これでも科学と言えるのか。確かにそうであるが、仮説を立てないと理論が進まない、逐次仮説は証明されていくのだ。そして、これはより小さい部分を研究する素粒子物理学が、今後説明出来るのでは

ないかと期待されている。

 

宇宙を見るという事は、とてつもなく大きいものを見ているが、一方宇宙の始まりとかダークマタ-を知ろうとすると、素粒子の様な、小さいものの研究が大事になってくる。

 

「コメント」

全くチンプンカンプン。纏めていて、自分で何を書いているのか呆然とする。私の無知、理解力の

なさが原因であることは明白であるが、この講義は大学院の授業ではなくボケの始まった爺さん、婆さん相手のいわゆるカルチャ-講座であるよ。しかし最後まで聴くぞ。