170512「超新星爆発が生み出す元素」

 

「今日の話題」 

・星はどうして生まれるのか

・星はどうして輝いているのか

・星には寿命があるが、寿命はどうして決まるのか

・寿命が尽きたらどうなるのか

「恒星の誕生」

星の最後の姿の一つに超新星爆発がある。これは宇宙論にとってとても重要なことである。我々は星と言うと金星、水星、惑星、流れ星などを考えるが、天文学の世界では星と言うと恒星の事を云う。

恒星とは何かというと、ガスから出来ていて自ら光を発するものである。

(原始星の誕生)

恒星は薄いガスの所から生まれるが、ガスが集まると重力が強くなって更にガスを集めて、質量が

大きくなる。そして中心の部分の温度が高くなり10万度になると光を放つようになる。この段階を

原始星という。太陽のように恒星は核融合を起こして光るのだが原始星はまだその温度に達して

ない。この事から星はガスの中から生まれるといわれる。

 この事はハッブル宇宙望遠鏡で観測されているので写真を見ることができる。

(核融合の始まり) 

  →水素などの軽い原子核同志が高温・高圧・高密度のプラズマ状態で融合し、ヘリウムなどの

   より重い原子核になる現象。膨大な光と熱を発生する。核融合は質量の軽い元素から、より

       重い元素へと変化していく状態である。    H→He→ C→O→Ni→Mg→Fe

      原始星が更に収縮していくと、周辺のガスを吹き飛ばし温度が上昇する。1千万度になると

       核融合を起こして太陽のように光り輝くようになる。これを主系列星という。この核融合が連続

       して起きているのが恒星である。

「星の寿命」→質量の大きいものの寿命は短く、小さいものが寿命は長い。星を構成する元素に

                    よって寿命は決まる。

・質量が太陽の8%以下の星  

   原始星のままで終始し、核融合を起こさず細々と光を放ちながら消滅する。→褐色矮星

・質量が太陽の8%から50%までの星  1000億年~数兆年

  太陽と同じように核融合を起こし光と熱を発する。核融合の進み方が緩やかで寿命は千億年以上

  →赤色矮星と呼ばれ、元素燃料を使い切れば冷えて白色矮星となり、やがて黒色矮星となって

     消滅する。

・質量が太陽の50%から8倍までの星  1億年~数百億年

   寿命が近づくと膨張し赤色巨星となる。

・質量が太陽の50倍    650万年

・質量が太陽の100倍   500万年

・太陽             110億年  太陽の年は46億年なので、残り寿命は約50億年 

                                    まだ大丈夫

・宇宙の歴史         138億年

 「超新星爆発」

  この様に核融合が起きているのが、恒星の活動である。全ての星は、元素がFeになるまで核融合

    を行う。核融合は光・エネルギ-を生み出す反応であるが、Feから先の元素転換の運動は、逆に

    エネルギ-を吸収する。

  そして星の終末の超新星爆発となる。この時には超巨大なエネルギ-放出する。

現在、超新星爆発を起こしそうなのは、冬の大三角形で有名な、オリオン座のベテルギウス。

超新星を起こすと大きな光を発するので、肉眼でも見えるであろう。

「ブラックホ-ル」

 超新星爆発後、質量の大きい星はブラックホ-ルとなる。高密度で重力が余りに強いために、

  物質も光も放出出来ない天体となる。質量の大きな星が一生の最後に自らの重力で崩壊する

  ことから生じる。それ自体は観測できないが、周囲のガスが吸い寄せられたり、周囲の星の軌道

  運動でその存在が分かる。

 

「コメント」

今回も理屈はもう一つ理解できないが星の誕生と、核融合、超新星爆発、ブラックホ-ルとの関連は少し理解できた。初夏になって星も良く見えなくなったが、冬のストレッチの時にいつも見ていたベテルギウスの終末が近いとは。冬の大三角形 ベテルギウス・シリウス・プロキオン。オリオン座の三つ星が目印。まさに「冬の星座」。