200313⑩「夜へ生き急ぐセミ」

海外のセミは体も単調で、鳴き方も機械のようで面白みがない。その点日本のセミは全く違っている。形も鳴き声も様々。日本は南北に長いので、真冬を除いて一年中セミが何処かで鳴いている。

「セミ」  カメムシ目セミ上科の昆虫 鳴く昆虫である。

世界で3千種。大きな共鳴室を持ち、鳴いてメスを呼ぶ。

・イワサキクサゼミ 沖縄

2cm  3月サトウキビ畑に生息 害虫として扱われるが、農薬によって天敵がいなくなって増加。

・ハルゼミ カメムシ目 セミ科

 3cm 4月 松林に生息 別名 松セミ  松くい虫で松林が減少し生息地が無くなっている。

・エゾハルゼミ カメムシ目 セミ科 ハルゼミ属 ミズナラ・ブナなどの落葉広葉樹林

 5月 北海道に多い。

・ニイニイゼミ  日本・中国・台湾・朝鮮

 2cm 6月  

・ヒグラシ 

日本、東アジアに分布 カナカナとも呼ばれる。芭蕉の句のモデル

3cm 7月 暗くなって鳴く

・クマゼミ 日本特産の大型のセミ

  7cm  7月  鳴く時間帯は午前中  南方系のセミだが、北限が福島県まで上がっている。

  温暖化?

・アブラゼミ 

 6cm 褐色の翅  名の由来は、翅が油紙  ミンミンゼミと競合 北日本で激減  夜鳴きで有名

・ミンミンゼミ  ミンミンという鳴き声で知られる。森林性。

 3cm 涼しくて標高の高い床に生息

・ツクツクボウシ 晩夏から初秋

 3cm  東北地方ではアブラゼミが激減し、ツクツクボウシが増加。八丈島では、セミはこの種のみ。

 森林に多く生息。

 

「セミは寿命の短い生物の象徴」→短いわけではない。

今まで寿命が短いとされ、子供たちは「1週間の命だから捕まえてはかわいそう」と言われてきた。しかし、最近の情報では、羽化して一ヶ月以上といわれている。昆虫の平均は卵から1年だから、特別短いわけではない。きっちりした研究があるわけではないので、夏休みの研究で取り上げると、

受けるかも。

 

「都市部での夜鳴きセミ」

セミは陽の明るさ・温度で鳴くが、最近夜鳴きセミが増えて来た。夜がライトで明るくなったこと、ヒ-トアイランド現象で夜の温度が下がらないことで、セミは鳴く時間を間違えている。

この現象のない山間部では、夜鳴きセミはいない。都市部のセミは睡眠不足。

 

「コメント」

子供達には一番身近な昆虫。色々な変化があるのだ。