210129③「新型コロナウィルスその3 治療と検査」

新型コロナウイルス感染症の診断に最も多く使われているのがPCR検査です。PCR検査によって現在感染しているかどうかがわかります。一方、過去に感染したかどうかを示すのが抗体検査です。今回は、新型コロナウイルス感染症の検査についての概要と、どのような薬を使って治療が行われているのかをお話しします。

 

「検査」

PCR検査

現在はPCR検査が多く使われている。検体にvirusがいるかどうかを検査する、従来は咽頭部から採取していたが、現在は採取の容易さ、virus飛散防止の為に唾液となってきつつある。

検出しやすいのは、発症から数日後である。陽性になるのは感染後五日位。ただ感染しても、PCR検査陰性の人もいるので、要注意。

抗原検査

検査したいvirusの抗体を用いて、そのvirus特有の蛋白質(抗原)を検出する方法。精度は落ちるが、短時間、容易に出来るので、急ぐ場合に用いられる。インフルエンザ検査に通常使われる方法。30分程度。

抗体検査

抗体は人間がvirusに反応して免疫が作り上げる物性である。Virusそのものではなく、人間の反応によって出来た物質を検出するのである。感染してすぐ作られるものではなく、発症後1-2週間で見つかるようになる。

感染症一般では、陽性になったら長期間、場合によっては一生抗体が消えないが、コロナは徐々に抗体が低下するといわれる。更に、再感染すると、重症化しやすいとも。

 

PCR検査と抗原検査は、感染して急性期であることを示し、抗体検査は、かって感染した事実を示す。

 

検査の長所・短所

PCR  長所 精度が高い、少量のvirusでも陽性を示す 

     短所 時間がかかる、設備が必要

抗原検査

     長所 短時間(30) 低コスト

       短所 virusが少ないと陽性にならない 

抗体検査

     過去のことしか分からない、時間によって抗体が減少することがある。

     感染症の全体像を把握するのに使われる

 

「治療」

未知の感染症なので、治療法が確立していない。現在の治療は、いままでの感染症で使われていた方法が、流用されている。薬も

レムデシベル  元々エボラ出血熱用の薬

アビガン     インフルエンザ治療薬 

二つの薬の効果については、色々な評価があって、確立していない。

デキサメタゾン ステロイド系  効果ありとされる

抗ウィルス薬とステロイドである。

抗ウイルス薬の役割

・発症から一週間はウイルスの増殖時期なので、抗ウイルス薬でこれを抑える

ステロイド薬の役割

・発症から一週間で免疫が過剰に起きて、場合によっては暴走するので、ステロイドでこれを抑える。

 

「致死率」

 第一波 20201月~4月   5.%

 第二波      8月~10月  1%

 当初手探りであったが、標準治療がなされるようになった

 

「新しい治療法の研究」

回復者血漿療法

感染した人の血漿を基に、薬品化して患者に投与。結果は半々で確立していないが、継続研究中

抗体を集めたグロブリン製剤

モノクロナル抗体

 抗体を人工的に作ったもの トランプ大統領に用いた

 

まとめ

・新しい感染症には、治療法がない、未知の分野。

・現在はっきりと効果があると言えるのは、ステロイドだけである。

・コロナには血液凝固性があると言われており、脳梗塞、心筋梗塞・血栓症等を引き起こしやすいといわれる。

 そこで、抗凝固薬 ヘパリンが使われる。

エムデシベル・エキサメタジン・ヘパリンの投与で致死率が下がってきているといわれている。

 

「コメント」

いつか、集団免疫ができて収束。そして、次の未知の感染症が待っている。問題は初期対応。やはり問題は中共だった。

免疫のない感染症には、今までもこれからも人類は苦労する。そして、基礎疾患のある高齢者には特に厳しい。年を取ることは、免疫が下がる事。