210709②「細胞とはなんだろう」

前回は、生命とは何だろうと進化の視点から見た。今回は細胞と言う観点から見てみたい。

生命とは何か具体的に考えると、一言でいえば細胞ですという事になる。
細胞は、あらゆる
生命体の基本的構造単位であるばかりでなく、生命の基本的な機能単位でもある。

細胞とは、生命の中核を成す特徴を備え、一番小さな存在と言える。
地球のあらゆる生命は、一個の細胞か、複数の細胞から成り立っている。この細胞はどのようにして生まれるのか。
全ての細胞は、細胞から生じる。これを細胞説と言う。

細胞は生命とは何ぞやと言う定義の問題に行くと、生命とは生きているという状態で、定義をするのが重要だと思うが、生きているという事は、エネルギ-の流れがあるということ。エネルギ-の流れということは、それを作り出す源があるという事。実はその細胞の中に、そのような機能を持つ組織がある。それは動物にあるミトコンドリアとか植物にある葉緑体とかいうものである。

 

「細胞説の歴史」

1665年から始まる。科学アガデミ-の草分けとして、ロンドン王立学会が設立され、その会員ロバ-ト・フックが細胞を発見した。科学的発見の背景には、必ず技術進歩がある。17世紀、顕微鏡が発明され、フックは自らこれを作った。

これを使って細胞を発見した。ケラ(ラテン語で小さな部屋)に因んで、セルと名付けた。彼はこの構造を見付けただけで、意味は理解していなかった。この発見から間もなく、オランダのアントニ-・フォン・レーエンクックが単細胞の生命体を発見する。彼は微小な生物が、池の水に、又自分の歯垢にいるのを見付けた。

現在、地球の生命体の殆どは、細菌やその他の微生物である事が知られているが、それまでは未知の分野であった。

(微生物)

微生物と言うのは、たった一つの細胞で、生きることが出来る、微小な生物の総称として用いられている。微生物について説明する。人体には30億と言われる細胞があり、すべてに微生物がすんでいると言われる。全ての真核生物は、細胞と微生物とが相互作用して、絶え間なく変化し続ける巨大なコロニ-である。

微生物も単細胞なのだが、目に見える全ての生命体と同じ基本原理で機能している。生命とは何かを考えるときには、同じジャンルで微生物も論じられるという事である。

(細胞説)

19世紀になると、生物は細胞から出来ていることは分っていた。顕微鏡技術の進歩で、細胞の研究が進むとそのことが確かめられていく。

1839年植物学者と動物学者の共同研究で、あらゆる生命体は本質的に、細胞で出来ていると主張した。

1858年、病理学者のルドルフヒョウが、すべての動物は、生命の完璧な特徴を備え、命の単位の集まりである。→

細胞から出来ているという事。問題はこの細胞説には、新しい細胞がどのようにして発生するかという説明がなかったことである。その後の生物学者たちは、この事を調べ始めた。そして、細胞が二つに分裂することに依ってしか作られないことに気付く。

細胞は細胞から生まれるということであるが、究極的にはどんなメカニズムと言うと、細胞の分裂が起きて、瓜二つの細胞が生まれるのである。これが細胞の繁殖であるとした。
微生物なら細胞分裂で終わるのであるが、多細胞生物について言うと、細胞分裂が起きると一つの均一な動物の受精卵が、将来の組織を生む細胞に変化し、最終的に胚という複雑な組織化された

生物に変化する。

この胚と言うのは、細胞分裂によって個々の細胞が、それぞれの機能を持っていて、それが集まって、その後の本当の生命体になるものである。

その後の胚の発達も、それぞれの動物の体の組織になるようなものに分裂していく。

基本的なプロセスは、全て同じである。

細胞は環境から枠で区切られている。細胞膜である。これが、複雑なシステムを機能させる要である。

 

今回は生命とは何かという事を、細胞という視点から紹介した。次回は、これを踏まえて、生命とは何かということに入る。

 

「コメント」今日はこれだけ理解すればいいのだ。

 

生命は細胞から出来ている。そして細胞分裂して繁殖していく。そのエネルギ-は、葉緑体とミトコンドリアである。