210820⑧「地球とは何か。地球もどきの惑星との違い」

前回は生命の起源という事を紹介した。熱水噴出孔というのが、可能性が高いし、生命誕生の場というのは、地球外へ拡張可能だという話をした。今日は地球という惑星がどんな惑星なのか、

地球もどきの地球とのの違いは、何なのかを話す。

「地球とは何なのだろう」

地球という惑星の特徴を列挙してみれば、ある程度見えてくる。

・海がある

・大気は窒素を主成分として、次に酸素が入っている

・大陸がある

・プレ-トテクトニクスがある

・微生物だけではない、生物圏というような目に見える生物がいる 

・我々のような知的生命体がシステム化されて存在する

 

太陽系の中の地球型惑星というもので、ここの特徴について述べる。

(酸素がある事)

・地球の特徴である大気であるが、これは何といっても酸素があるということ。金星、土星の様に大気を持つ惑星の大気は炭酸ガスなのである。誕生した時は、地球も金星も火星も殆ど同じであった。

炭酸ガスに覆われていた。

・地球の炭酸ガスは、除去された。大陸の上の炭酸塩の岩石として、存在している。これを溶かせば、金星の様に戻る。

(地球と金星との違い)

この特徴がどのようにして生まれたのか。実はもう一つの大きな特徴として、地球の表面に海がある。海を持つ惑星というのは、太陽系では地球だけである。これがどうやって生まれたかを

考えねばならない。同じ様に生まれた惑星が、どうして地球になったのかを考えて、論文を書いた。「地球は、何故地球になったのだろう」

地球と金星を比較すると分かり易い。同程度の大きさ、軌道も差は少ない。それなのに、今の金星には、炭酸ガス大気で海がないし、地表温度は480度。その違いは何で生じたのか。この事を書いた

論文である。

・誕生した時は、地球も金星も火星も、原始水蒸気大気というものであった。水か蒸気として、大気を構成していた。

 次の成分として炭酸ガス、第三に窒素があった。所が金星も地球も誕生の時に、小惑星が衝突して地表が熱くなり全てが蒸発してしまう。そうすると地表温度が下がり、原始水蒸気は安定でなくなり雨となって地表に降る。これは地球でも金星でも起きたことである。一時的にどの太陽系の惑星も、海を持つ惑星であった。問題は、その後何が起きたのか。実は、もう一つ考えねばならないのは、その頃の太陽は今より暗かったのである。約30%。

その後明るくなってきている。金星の場合は、温度が上昇して、海は蒸発してしまった。

地球も何十億年も、そのままの状態だと海が蒸発して、上空で水素と酸素に分解されて、水素は宇宙空間に逃げ、酸素は地表の岩石の酸化に使われる。このようになるはずであった。

所が地球の場合には、何十億年も経たないうちに、地表が冷えて地殻が熱くなってきて、マントルも硬くなった。その結果、岩石圏という固い層が地表に出来た。この固い岩石層の下は、軟らかいプレ-トが存在した。このプレ-トが出来たというのが、地球と金星を分けたのである。プレ-トはマントルの上に浮いているが、冷たくなると沈み込んでいく。

プレ-ト運動である。プレ-ト→溶ける→マントル

金星ではこうしたメカニズムが出来る前に、海が蒸発してしまったが、地球では海が残っている内に、プレ-ト運動が始まって、大陸が生まれた。大陸地殻は、マントルより軽い物質なので、一旦出来ると地表に積み重なっていく。これで超大陸が出来たりした原因である。大陸が生まれると、炭酸ガスは雨に溶け込んで、地表に降る。雨は地表の岩石を侵食して、海に流れ込むので、海の中では炭酸ガスがイオン化したものとか、大陸で寝食されたカルシウム、
マグネとかのイオンが入ってきて、これらが化合して岩塩酸鉱物が生まれる。これがプレ-ト運動で分散していく。
こうしたサイクルで、炭酸ガスが減少していく。その結果、地球と金星の運命は分れた。

 

実は地球の特徴の大きなものは海があること、大気の組成は窒素が主成分、生物が存在するという事。

生物が存在するという事は、その中で光合成生物がいると、自分の有機物と共に酸素を作り出す。こうして、地球大気に酸素が溜まっていく。

プレ-トテクトニクスも、大陸も生物も海も、みんな関連していて、実は地球が環境として、海を持てるような環境を維持し続けられたから、地球になったのである。

結論として地球の特徴は以下の通りで、これが全部揃って地球なのである。

 ・海がある

 ・大気は窒素が主成分次は酸素

 ・生物がいる

 ・大陸があって、プレ-トテクトニクスがある

そこに微生物が進化して、真核生物・多細胞生物とかが生まれてくる。

全ての要素が絡み合って、どれ一つとして単独で地球の特徴と言うことは出来ない。地球という惑星は、これ等の要素を全部持っていると言い方になる。

 

地球の表面に5000種の鉱物がある。地球と瓜二つの惑星を考える時、地球と全く同じ鉱物を持つ惑星は定義になる。

そういうのが幾つあるのか。天文学的に稀である。

この宇宙に地球と瓜二つの惑星は無いと断言できる。似たとか、地球型とかいうのになる。今、系外惑星というのを観測している。地球は銀河系の中で、太陽系なので太陽系以外で探しているので

ある。

現在の地球の構成要素は

 ・コアがある

 ・マントルがある

 ・近くがある

 ・生物圏がある

 ・知的文明がある

 ・大気がある

「各システムを動かしているのは対流」

この間に物やエネルギ-のやり取りがあるのを、システムという。このやり方が存在できるのは、それぞれの部分に対流運動があるから。基本的には、元々熱かったので重さの順に成層構造を成している。一番重いものが中心にあって、その次にマントル、そして表面に岩石、その上に揮発性物質・水、水蒸気がある。対流が、地球構成要素間の関係を生み出している。

「地球もどき惑星」

一般に地球型惑星というのは、天文学者が天体を分ける様に、半径と質量、軌道に基づいて惑星の種類を区別する。

その時に、地球型というのは、半径と質量から考えて、その組成が岩石からなる惑星であって、しかも軌道は太陽に近い軌道を回っている。これを地球型惑星という。

ではそれ以外に惑星としてどういうのがあるかというと、巨大ガス惑星、更に巨大氷惑星というのが

ある。太陽系の惑星が、どういうもので出来ているかとざっというと、岩石と氷とガスである。

太陽に近い方が、温度が高いので、氷惑星は外側になる。

私は、ここで地球もどき惑星という云い方を提唱する。何故かというと地球外生命を探る事を考えると、生命というのは前回話した様に、海を持つような惑星の海底で、熱水噴火孔みたいなものがあれば、生命は生まれるとすれば、そういう天体は沢山ある。地球は一つしかないが、地球もどきは沢山ある。地球もどき惑星の話をするには、地球環境がどうして安定しているかを話す必要がある。

 

「コメント」

地球にだけ、海が残ったのかはもう一つすっきり分らない。太陽からの距離だけではないのだ。前の講座の時は、いわゆるバビタブルゾーンで説明されていたが。

こんな話、素人の爺さんが、カルチャ-ですっきり分かろうとするのが無理というもの。