210924⑬「星と惑星と生命」

(水素を基にして星が出来る。その中で核融合が進み、色々な元素が形成され、爆発で宇宙にばら撒かれる)

前回でこの地球は生命を生むという事を話した。星の内部で元素合成が進んで、それを星の進化と呼ぶが、最初はHHeが出来る。更にHeCON、更には重い元素Mgとかが出来る。最終的にはSiと言う元素まで合成される。星の一生の終わりの爆発の時に、SiよりFeが生まれる。そうすると星の終わりとなる。超新星爆発である。これによってFeより重い元素が出来る。放射性崩壊を起こすような質量数234以上のU・・・。これが爆発で宇宙にばら撒かれ銀河中に散らばる。これで色々な化学反応があって、様々な分子が合成される。COCO2、メタノ-ル、エタノ-ル、ホルムアルデヒド、アンモニア、グリセリン・・・・・。実際に宇宙を観測すると、生命の材料となる分子は多数存在する。

(太陽の誕生 地球の誕生)

50億年前になると、太陽が誕生する→地球の誕生 46億年前。

太陽の周りに色々な円盤が形成され、冷却していく。これが集まって惑星が出来ていく。太陽に近い方から、岩石成分が多いもの、外側に向けてガス、氷主体の惑星となる。

岩石惑星  水星、金星、地球、火星        同じ岩石惑星でもかなり違う。地球と似ているのは金星。

(生命の誕生に適した惑星はどんなものだろうか) 海がある、大気がある、大陸がある・プレ-トテクトニクス

まずは地球。金星にも生命の誕生があっても不思議ではない。進化の途中で、海が失われて途絶えてしまったとも思われる。

生命の誕生に適した惑星とは云うと、私達が生命として知っているのは、水溶性の炭素化合物を基本としているものである。

という事は、水溶性なので、水か液体の形で存在するというのが、不可欠である。一番生命が存在するという惑星の条件としては、水が液体の形で存在する即ち海があるという事である。

しかもその惑星はある程度の大気を持っていないと、その液体は凍り付いてしまう。

この事から、惑星には大気を保持できる、ある程度の大きさが必要とされる。それは地球、金星で

ある。金星の場合は、大気を保持できてもプレ-トテクトニクス的な運動が起こらなかったので、海が蒸発してしまった。

(太陽系は生命の短銃進化に適している)

太陽は主系列星である。

主系列星とは

 星は中心部の水素が消費されてしまうまで、その一生の90%を主系列星として過ごす。太陽はこの初期に有り、寿命は100億年とされている。

寿命が短いと、その惑星で生命が誕生し進化する時間がない。要するに適当な太陽を持ち、Hsbitable Zoonにある星となる惑星が、生命誕生、進化に適している。

1995年に、太陽系外惑星が発見されたのだが、この太陽系以外の惑星と言うのも殆どが、岩石惑星と巨大なガス惑星と氷惑星からなるという事が、観測して分かった。これで太陽系誕生の理論と観測が一致したのである。しかし系外惑星が太陽系と同じかと言うと良く解らない、現在は見つかりやすいものが見つかっているから。

(進化はどういう条件で進むのか) 自然淘汰

海底の熱水噴出孔というのが、生命の場としては可能性が高い。私としては、そういう熱水噴出孔の傍での生命の誕生という事を考えているが、生まれた生命がその後どうなるかという事になる。進化が起こるという事には、何かと言うと、進化が起こるようなメカニズムがあるという事である。

メカニズムとして、今回最初に話した自然淘汰という物である。この自然淘汰というのは、とても重要で生物と非生物の境界という物があると話したが、これはありのままだと話した。生物と非生物の境界を決める基準はあるのか。

例えば自然淘汰という物を考えると、一つの基準になる。自然淘汰が働くと、重要なことであるが、稀な出来事がありふれたことになる。と言うのは、自然淘汰が働いていないとすると、稀な出来事が残るのは、偶然か、物質に本来そういう性質があったと考えるしかない。そうだとすると、例えば「ダーウィンの池」みたいなある種のスープが、与えられたとして、自然淘汰によって進化できる生命体が自然発生する可能性について考えてみることにする。

 

いづれにいても地球生命を考える以外にないので、核酸の複製の基礎として、蛋白質を活動の基礎として生まれ、それが進化しているものがある。しかしこれは今の生命に基づいて考えているので、途中でそうでない生命を否定するわけではない。ではそういう生命誕生というプロセスをどれ位自然なのか、偶発なのかという事を考えてみると、今ここでは生命の前駆体として、可能性の高いRNAワールドみたいなものを考えてみることにすれば、こういうRNAワールド的な物が、「ダ-ウィンの池」の様な所で起こったとして、そういうことが確率的にどれ位の頻度で起きるのかということがある。そもそもダーウィンの池の様な場所が、原始地球に十分にあったとするRNAワールド的な複製形が形成される確率は1/10億とすると、5億年の時間があれば生命は発生することになる。

RNAワールド

原始地球上に存在していたと考えられる、RNAから構成される自己複製システムのこと。リボザイムの発見によって、RNAが遺伝情報の保持と触媒活性の両方の性質を持っていることが明らかになり、蛋白質が先か核酸が先かの問題に一応の終止符が打たれた。

という事は、生命の起源は偶然ではなく、必然であるという事になる。問題は進化が起こるがどうかという事になる。

地球生命の進化の例を調べると、単純な生物ほど時間がかかることが分かっている。

進化と言っても偶然起こったのではないかと思われるようなもの、稀な出来事も、自然淘汰が働くと

稀な出来事でなくなると言ったが、一回しか起こらないというのは、本当に稀なことになる。

(地球の場合は酸素発生型光合成生物の誕生及び真核生物の誕生が大きい)

ここで重要なのが、地球の場合は酸素発生型光合成生物というバクテリアが生まれたことである。これが地球の環境を変えてしまったのである。これが量的に増えると、遺伝子の水平伝搬によってより良いシアノバクテリアの進化していく。もう一つ稀な出来事があった。真核生物が生まれたのである。シアノバクテリアは原核生物。

細胞中にエネルギ-の供給を司る、ミトコンドリアを持つとか、或いは植物では光合成を司る葉緑体を獲得するとか・・・。

こう言う出来事は地球史上、一回だけの稀な出来事である。真核生物が出来るというのは、多細胞生物が生まれる準備なのである。生命の進化が出来る為には、酸素発生型光合成生物と真核生物の誕生が必須だったのである。

(進化に必要な淘汰圧)

進化において必要なものは、淘汰圧と言って環境なのである。安定した環境からは基本的に進化は起きない。環境が変わる事によって、進化は起きる。地球ではこの環境変化が何度も起きた。大きなものは、大陸が生まれたこともある。

洗濯と淘汰

進化に於いて固体や形質を世代を経ることによって数を割合を増していくことを選択、逆に割合を減少させていくことを、淘汰という。これを生む要因を選択圧、淘汰圧という。

(講師の考え)

フェルミの問いでは、彼は宇宙に知的生命体は沢山いるだろうと予想しているが、知的生命体と言うのは極めて稀な現象であって、今地球に来ていないのに不思議は無いと思う。また生物の進化と言うのは非常に稀な現象であるというのが私の考えである。

また海があって海底に熱水噴出孔があるような惑星ならば、必ず生命体を見付けることが出来るであろう。しかしその探査は難しい。しかしシアノバクテリア的な物が生まれれば、大気の組成を変える。酸素を含む大気に変えるので、それは観測で確かめられるだろう。これからの進化する生物が生まれるような系外惑星探査は、その大気の観測が大切である。

 

「コメント」

これもやっと終わった。生物が生まれ、進化する環境は何か。それには宇宙の歴史、成り立つ知識もいるという事で、素人にはきつい講座であった。今回はドストエフスキ-も重なったので、きついきつい。

 

結論は、地球外生命は見付からないという事か。やはり科学ではなく、神の御手なのだ。