科学と人間①植物の不思議なパワ-  甲南大学教授 田中修

150529新しい品種の誕生

新しい果物の誕生を支える植物の力を紹介する。果物の栽培品種と言うのは多い。リンゴは日本で2000種、ブドウ 100種。何故こんなに多くの品種を作るのか。これは消費者の多様な要求に応える為、又長い期間供給する為。

・大きさ  大~小  イチゴ 普通は20gだがアマオウ(産地 福岡) 250g

・供給期間 Ex、ウンシュウミカン 一年中 ゴクワセ・ナカテ・オクテ・ハウスミカン

   一つの品種の供給可能期間は短いので品種を変えて供給していく。

 

「この様な多種・多様な品種の栽培方法」   三つの方法しかない。

○偶発実生    

 偶然発生してくる芽生え。二十世紀ナシ。1888年千葉県松戸市の民家のゴミ捨て場で発見された。後 鳥取県で生産拡大

○枝替わり

 果樹の枝にはたくさんの芽が出る。その芽で突然変異が起きると其の先から出てくる枝は性質が変わっている。→早く熟す・色が違う・・・・

 これを枝替わりと言うが、これが起きたらその枝を採って品種として確立していく。

 ・柿の二大品種は富有柿とヒラタネガキ。このヒラタネガキの枝先に早く熟す芽を発見、これが見つけた人の名をとって、トネワセ

 ・ウンシュウミカンで早く熟する ミヤガワワセ

 ・伊予かんで早く熟する   ミヤウチイヨカン

○交配  

 上の二つは人間が計画的には出来ないが、交配は人間が行う。

・サクランボ      キダマ+ナポレオン→佐藤錦(フルーツの女王)

・ブドウ         カナンフォ-ドマスカット+ピオ-ネ→巨峰(ブドウの王様)

・ナシ          幸水   ニイタカ

・みかん        キヨミ   ミヤガワワセ+トロピカルオレンジ

             デコポン  ポンカン+キヨミ

・リンゴ         富士    国光+デリシャス    生産量日本一

 

新しい品種誕生までで大事なこと

・偶発実生/枝替わりで出来たものは、1本しかないので接ぎ木で増やしていくしかない。大変な手数が必要。

・接ぎ木の台木の年令・性質によって成熟までの期間が違うので台木の選択が重要。

 

「コメント」

熊本は昔からミカンの産地で、小さい時からみかんはよく食べた。今は、親戚から送ってくるのはデコポン、名前を知らないミカンばかり。

ウンシュウミカンは無い。確かに西洋菓子みたいな感じでハイカラだけど、とても旨いとも更に食べたいとは思わない。

少し酸っぱい夏ミカンがいいな。この前、山北のミカン園でおじさんが、もいでくれたミカンはそれは美味かった。昔の味もしたし、すこし酸っぱくて山登りには最高。又行きたいくらい。そうだ、高松山だ。