科学と人間①「地球と生命の46億年史」       丸山 茂徳(東京工業大学 地球生命研究所特命教授)

160627⑫21世紀の日本の課題

 

科学の発展が社会の発展を支配してきたというのは、人間の歴史を見れば明らかである。さして我々はそこに化学から政治までの統一的な理解の上で、そこに法則性を見つけることが出来れば、人類の未来を予言できる。 

Japan As NO.1 

産業革命は英国で350年前にスタ-トし、ドイツ、アメリカと次々と伝播していく。日本は明治維新から数十年で近代化に成功し、先進国と肩を並べるまでに成長する。これはイギリスの産業革命に遅れること、100年である。特に第二次世界大戦後は世界最大級の豊かさを謳歌し、エズラ・ボーゲルに「Japan As NO.1」と言われるようになる。日本の輝かしい

発展、特に戦後の成長は何でそれが可能になったのか。勿論政治経済のリ-ダ-達の献身的な努力があったが、一つは戦争放棄による軍事費負担がないことによる国力の経済への集中が可能であったことが大きい。21世紀には中国が世界の頂上になるが、既にそれにも陰りがみられ、次はインド・アフリカがその主役になるといわれている。

「組織の生命は90年」  現代は日本崩壊の幕開けの時代

明治以来の日本の歴史を見てみていると、3世代90年でその組織・グル-プは崩壊するという法則が見えてくる。

この法則は国家を始め、一般の組織、家族でもこの法則は共通のサイクルである。家族の例で見てみよう。

第一世代

 誠実に仕事をして蓄財し、恒産を作り次世代に残す。この世代は一般的に教養・知識不足なので次世代に学歴を付ける

 事を強く進め、教育に注力する。

第二世代

  第一世代の苦労を見ているので、堅実に生き、そこそこの大学で実業系(工学部・法学部・経済学部・・・)を選択する。

  しかし努力もそこそこ。

第三世代

  親世代の苦労を見ることなく、豊かさの中で育つので事業ではなく虚業を選択し、安逸な生活を求める。

  これが現代の日本である。

これが国家を始め、組織崩壊のシナリオである。戦後70年、この第三世代の人々が日本の政治、経済の世界で中心的な地位を占めるようになってきている。虚業を繁栄させて、有能な日本人が虚業に憧れる時代となってきている。

日本崩壊の幕開けである。このままで行くと、日本崩壊は2030年頃。

「実業と虚業」  実業の衰退→日本の崩壊

社会の未来を考える上で、実業と虚業、そして組織の崩壊という事を考える必要がある。実業とは人間が生きていく上で、必要な衣食住を生産し、更により豊かなものを生み出す職業のことである。又その為の職業も含む。

虚業とは単純に言えば実業以外のものであるが、物質的な豊かさの上に精神的な豊かさを目指す職種とあるといえる。

現代日本は十分物質的な豊かさを実感しているので、虚業を求めることとなる。

しかし、虚業の発展は、同時に実業の衰退と表裏一体なのである。ローマ帝国の滅亡の原因は、外国からの侵攻では

なく、国家の中で実業が衰退し、虚業が拡大したことによる。ここで重要なことは、食糧自給率40%、エネルギ-の殆どを輸入している日本の虚業の繁栄は、食糧・エネルギ-の輸入代金を稼ぐ実業の衰退を加速し、国家の内部崩壊を

招き寄せている。

「日本の人口」 少子化・高齢化への対策は間違い 適正人口 4000万人  

世界の人口は現在70億、2050年には100億と予想されている。30年で30億増加する。しかしこれがピ-クで2100年には減少傾向となる。要するに2050年のピ-クを乗り越えればいいのだ。この事は、日本が世界に先駆けて人口減少社会を先取りしている事。要するに食糧自給できる範囲に人口を近づけることである。それは4000万人。これは明治初期の人口である。

「マスコミの責任」

付和雷同性の高い国民性を持つ日本人には、マスコミの影響力は極めて大きい。特に現代はTVInternetの普及で加速度的である。現代でも威力はますます大きくなり、日本国民の内部崩壊、或いは精神的崩壊の主要な原因はマスコミによる日常的な洗脳であるとさえいえる。つまり実業を忌避し、虚業に憧れる人々を作り出すことを助長しているのである。マスコミの社会的責任は権力の監視であって、今は逆の方向に走っている。無謀な太平洋戦争に突き進んだのはマスコミの戦争賛美であり、戦争責任の殆どは大手の新聞社とさえいえる。現在これを反省することなく、マスコミは若者を虚業賛美に向かわせている。

先ずはマスコミが本来持つ機能と責任に立ち返ることがまず求められる。

「知識の体系化と合理的思考法の確立」

今は世界的に知識カオスの時代である。今日の繁栄を招いたのは、専門化細分化された科学と技術である。この結果、人々は知識の全体像を把握することが出来ない。地球規模の環境問題や人間社会の問題を誰一人として、俯瞰的に

把握することが出来なくなっている。要するに全体像を知ることが出来ないのである。従って、近未来がどのような方向に進むのか、崩壊する危険性や崩壊の予兆を知ることが出来ないのである。

この様な時代を打開するには合理的思考法を確立する事である。この為の知識の体系化こそ、マスコミの社会的責任である。

 

「コメント」 

阿保なマスコミとアホな親に育てられた若者が虚業に走り、実業が衰退し2030年には日本は崩壊する。今の少子

高齢化対策は間違いで1億1千万の人口を4000万にするべき、科学者は頑張って細かな情報を沢山作ったし、

将来の危険も警告した。その具体策は、沢山ある情報を整理し導くのは罵倒したマスコミの社会的責任である。

これが今日の講義のエッセンス。

何と自分勝手な高慢な話ではなかろうか。えてして頭の悪い人が知ったか振りして、政策を説くとこうなる。

対策、実行は人の責任。「葦の髄から天井を覗く」

さあ、来週は最終回。よう、我慢して3ヶ月聞いたなあ、偉いのか阿保なのか。どう思います?