歴史再発見 漢字と日本語の文化史      

                      早稲田大学社会科学総合学術院教授 笹原 宏之

 

    130730 意味を表す漢字、イメ-ジを表す漢字 

漢字は中国で生まれたが、朝鮮・ベトナム・日本等東アジアに広がった。これを漢字文化圏といい、仏教、儒教、道教、箸などが共有された。

「共通のもの」

    苗字 李・林 ②地名 京(東京・北京・京城・・)  

    単語  注意、約束、推理・・・ 読みは違うが意味は同じ            

潜在意識(日本)  潜在意識(韓国)   潜意識(中国)      潜識(ベトナム)

 

漢字圏では筆談はできると言われるが、現在では意味が変わってしまっている例。     

   手紙(日本)         信(中国)         便紙(韓国) 中国人は手紙・便紙をトイレットペ--と思う

   しかし日本でも、手紙のことを私信、信書などと使い中国と共通の部分もある。

・現在では韓国・ベトナムは漢字を法律で廃止している。字は表意から表音となってる。

・油断一秒怪我一生  中国人は「1秒でも油が切れたら私を一生責めて下さい」の意と読む。?

 怪我は大和言葉の当て字で中国では使わない。

・我 これは漢字としては古来「武器・のこぎり」の象形文字と言われているが、自分という意味に変化した。こういう使い方を仮借という。仮借とは「ある概念や事物を表す漢字がない場合、本来の意味と違う同音の他の漢字を借りて当てたもの。

 

食物を盛る器の「豆(とう)」を「まめ」の意に用いる類。」広辞苑より

 

 

「漢字は元々中国では短音節を表わす言葉であるが、又これは漢字の意味の凝縮力を示している。」

 

長い意味のことを短く表している。その例を上げる。

・夕雨   夜に雨が降るのであろうか ・女強人  キャリアウ-マン  ・空中小姐  キャビンアテンダント

学而時習之、不亦 説乎    学びて時にこれを習う 又喜ばしからずや

・上善如水             最も理想的な生き方は水のあり方のような生き方である

・色即是空 空即是色      この世にあるすべてのものはその本質は空であるということ。また、その空がそのままこの世に存在するすべてのものの姿であるということ。

国破山河在           国破れて山河あり 唐の杜甫の五言律詩「春望」の冒頭

 

 

「現代中国・韓国の言葉」 

日本人は、カタカナ、ヒラガナを使うことによって表現力を膨らませてきたが中国でも漢字を使って工夫している。

 

日中韓の意味の違いの例を上げる。その場合中国人はストレ-ト、日本人はイメージを膨らませ穏やかに婉曲に言う。

 

・コ-ヒ-   珈琲()    咖啡()    ・腸粉()→ライスヌ-ドル  ・血腸()→ブラッドソ-セ-ジ

・食口()→家族 ・猟奇的彼女(韓国)→変わった女

 

 

「漢字の日本的工夫」

・龍、竜、辰   意味を使い分けている。通常、「竜」を利用するが、「龍」は人名用の漢字。古くは、金文・篆書体で利用とされていた。もとは「竜」から発展してきたもの。「辰」は人名、時刻や方角、星座名・北辰・辰極(北斗星)等に利用されている。

・、鮓、鮨、寿司  元々酸っぱいから来ている

  鮓   奈良時代以降使われており、近畿地方に定着  値段が高いイメ-ジ

  鮨   江戸前に使われる  これも高そう

  寿司  一般的な使用 回転寿司的雰囲気    

・卵 玉子 卵は生、玉子は料理したもの

・尊 命  尊→日本書紀から使い分けており、至って尊い神様 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)

         その他の神様