日経新聞の推薦図書。私の対象の書籍は今ではここに殆ど限られている。各界の知識人や有名人が愛読書、推薦書を毎週土曜日に。ある意味他人任せだが、あまりはずれはない。そして本は図書館がベースで、近刊は購入する。ここの所ほかの事で手を取られていたのでUPは滞っていた。池上彰は日経に東工大通信として定期的に出稿していた。今回の本はこの三人が中心的な役割で東工大にリベラルア-ツ定着させようとの運動である。その体制を作るまでの苦労は察するに余りある。旧体制の経営陣教授陣、理系の狭い分野に閉じこもる学生。少ない予算。この背景にはこんな状況に危機感を持つ数少ない官僚、学校関係者、学生がいたことであろう。日本は今まで東大法学部が官僚、民間のトップとして牛耳り、東工大はその下で狭い技術分野を務めていた。最近コロナ感染対策での対策の迷走、東京電力原発事故対策温暖化、IT化の致命的な遅れ どれも科学の知見を必要とするものばかり。もう旧来の法科出身の官僚及び政治家には任せておけない、さあ出番だよという所か。「文系科目が出来たら東大に行ってます」という学生。それなら入学してからリベラルア-ツやろうではないか。MITはじめ欧米の理系大学のリベラルア-ツ教育の充実は目を見張るものであるとか。

この運動の効果が出るのは時間がかかるが大いに期待しよう。そしてすでに社会で活動している卒業生も大いに発奮して、忙しい合間に再勉強すべきであろう。