210122②「新型コロナウィルスその2 臨床症状」
新型コロナ感染症の症状はインフルエンザとよく似ていますが、嗅覚障害、味覚障害の頻度が高く、高齢者が重症化しやすいなどの特徴があります。今回は、新型コロナ感染症の症状の特徴と、どのような経過をとるのかということを中心に話します。
新型コロナの頻度の高い症状として、咳・息切れ・呼吸が苦しい・熱・寒気・筋肉痛・時には嘔吐・下痢・・・。
嗅覚異常・味覚異常がみられることがある。
新型コロナに感染すると
・症状はインフルエンザと似ている。症状だけで判断は難しい。
・五日位で発症、殆どの人は12日以内に症状が出る。
・嗅覚障害、味覚障害は新型コロナ特有の症状といわれる。
・発熱は80%以上の人で見られる。10%の人は熱も出ない
・咳は70%程度の人に見られる。
・倦怠感は半分くらいに見られる。
・一定割合で感染しても、無症状の人がいる。特に若い人に多い。
この特徴はその経過にある。感染しても暫くの間、体内でvirusが増殖している期間で症状が現れない。そして時間の経過とともにvirusが減少して、回復していく。しかし一部の人には、virusが減少しても体内の免疫が反応して重症化する人もいる。
以上より、症状だけでインフルとの区別は困難。
酸素が必要となる人 発症した15%の人は酸素を必要とする。
ICUを必要とする人 5%
味覚異常・嗅覚異常 新型コロナの顕著な特徴 若い人・女性に多く見られる
・味覚異常 50%
・嗅覚異常 40%
異常を感じてPCR検査を行うと、通常より6倍の確率で発症している。
感染した場合、重症化しやすい人は
・高齢者
感染者の致死率 1.8%
60歳 2.3%、70歳 7.2% 80歳 17.5% 85歳以上 格段に高くなる
・何故高齢者の致死率が高いのか
基礎疾患を持つ人が多い 肥満・高血圧・糖尿病・慢性腎臓病・心臓病・脳卒中・基本的に免疫低下
治癒しても後遺症が残る
20%以上の人に、倦怠感・味覚・嗅覚障害、脱毛など
「コメント」
改めて高齢者の致死率の高さに愕然。親しい入院中の友人の感染者からの電話での、息が苦しいとの声が、強く耳に残る。「死ぬかも」との最後の言葉。その後連絡がなく、恐くてこちらからの電話は出来ない。ただただ回復を祈るだけ。