210319医療現場の最前線から感染症を考える⑩「マダニ媒介感染症」
国内のマダニ感染症の種類を話す。頻度高く見られるのは、ツツガムシ病、日本紅斑熱。
・マダニはマダニ目マダニ類マダニ科 寿命は2年
・マダニ感染症は冬を除いた時期
「ツツガムシ病」 500人/年
細菌による感染症で病原体はダニの一種のツツガムシによって運ばれ、刺されることで人にうつる。
ツツガムシは日本全国に分布している。発熱、筋肉痛、発疹が症状である。
「日本紅斑熱」 300人/年
病原体はマダニによって運ばれ、ダニに刺されることから人に病原体がうつる。マダニすべてが病原体を持つわけではない。発熱、筋肉痛、発疹が症状である。テトラサイクリン系の抗生物質が有効。
「ライム病」
アメリカ、ヨーロッパで流行している。
マダニに刺されることで発症する。これを伝染させるマダニは北海道などの標高の高い所に生息している。
診断は抗体検査。抗生物質が有効。
「重症熱性血小板減少症候群」SFTS 100人/年
このウィルスを保有するマダニに刺されることで感染する。西日本に多く、致死率が30%と高い。
2011年に中国で、2013年に日本でも発見された。西日本に多くみられる。
患者からの感染も報告され、公衆衛生上も重要な感染症である。ウィルス性なので、抗生物質も効かず、ワクチンも開発されていない。
「マダニに吸血されない方法」
・マダニ生息地の野山に入らない
・皮膚の露出部分を減らす
・虫よけ(マダニ) ディ-ト イカリジン成分 マダニ・蚊にも有効
「マダニに刺されたら」
刺し口を無理に取ると、残ることがあるので医療機関にて状況を説明して処置してもらう 皮膚科 救急外来
「コメント」
野山に行くときには、虫対策が必要。sftsウィルス性は怖い。特にマダニ。住居附近のダニは唯痒いだけ?