170728「地球の気候はどう決まるのか」

「あらすじ」

地球の気温は、太陽から地表面に達するエネルギ-と、地表面から宇宙空間に逃げるエネルギ-のバランスによって決まり、水が液体で存在し、人類にとって適度な気温が保たれている。近年、温室効果ガスの急速な増加で、エネルギ-が入超となり、バランスが崩れて地球の温暖化が危惧されている。絶妙な「温室効果」あってこその地球の特異性が崩れかけているのは何故か、そのメカニズムを解き明かす。

 

「地球の気候の決まり方」

(太陽エネルギ-)  地球の温度  平均気温15℃の維持

地球の気候の源は太陽光である。気温は入ってくる太陽エネルギ-と、地表面から宇宙空間に逃げるエネルギ-とのバランスで決まっている。地球46億年の歴史には、惑星衝突や地球内部のエネルギ-が形作った部分もあるが、基本的には太陽エネルギ-で説明できる。

太陽から地球に到達するエネルギ-の約1/3は雲や地表面に反射されて、大気に吸収されるのは240W/m2である。地球が太陽から受け取るエネルギ-である。この受け取るエネルギ-とバランスするように地球自身も赤外線で宇宙空間にエネルギ-を放出している。

計算的には地球温度は-18℃でとなるが、実際は15℃。この差は大気による温室効果ガスの存在で説明される。

(温室効果ガスの働き)  大気と同意語

温室効果ガスは、地球表面から放出される赤外線エネルギ-を吸収する性質がある。そして大気中に吸収されたエネルギ-はその後放射される。こうして大気と地球表面との間を循環している。この為に地球は太陽から直接受け取るエネルギ-よりも更に大きなエネルギ-を蓄えることになる。この様なメカニズムで気温が一定に保たれ、水が液体で存在しえる状態で保たれているのである。

バランスが崩れると氷結か、乾燥かとなる。

(他の太陽系惑星との比較)  太陽からの距離は金星、地球、火星の順

・太陽系惑星の性質を決めたのは、太陽からの距離・それぞれの惑星の太陽光の反射の具合・大気の温室効果ガスの効き方の三つである。これによって気温が決定された。地球の場合は幸運にも

生物生存の条件が整ったのである。

・地球の場合は海が形成されたので、金星の様な熱惑星にはならなかった。海や大陸、山岳の存在は地球の気候を決める大きな要素である。地球形成の歴史はプレ-トテクトニクス理論によって大陸が移動し衝突を繰り返し、ヒマラヤの様な山岳を形成してきて、現在の気候となっている。

・プレ-トテクトニクス理論によって、1500万年前に日本列島は大陸から分離し日本海が形成され現在に至っている。

(海の存在)

海流は地球の温度の平準化に大きく寄与するが次の海峡は特にその効果は大きい。昔にパナマ

海峡は存在したが、その後閉じた。その結果太平洋と大西洋は、降水量の差により塩分量の差が

生じた。塩分の薄い大西洋には、海氷が出来易く周辺の気温は低下する。 この為海流の循環する海峡の存在はとても重要である。

 ・パナマ海峡  現在は閉じている。

 ・マゼラン海峡 南米大陸と南極の間。太平洋と大西洋を結ぶ。

 ・日本海の各種海峡 暖流と寒流の交換

「大陸と海洋の存在の影響」

地球のスケ-ルで見ると大陸と海洋の暖まり方に違いによって季節風が発生した。

「海水面の変化の影響」

地球は氷期と間氷期を繰り返しているが、氷期には100mも海水面が低下した。これによって海洋が陸地化して海水の流れが大きく変化した。

「プレ-トテクトニクスによる山岳の誕生の影響  ヒマラヤ・チベット高原・日本の山脈

インド大陸がユ-ラシア大陸に衝突することで、チベット高原、その南側のヒマラヤ山脈が誕生した。太平洋プレ-ト、フィリピン海プレ-トによって日本及び日本海が誕生し、その結果による山脈に

拠って現在の気候が形成された。(4000万年前)

・ヒマラヤ山脈が障壁となって、偏西風をブロックして蛇行させた。湿った空気が山脈の南側を多雨とした。これが日本の梅雨の原因でもある。

・日本の中央の山脈は冬のシベリア高気圧をブロックして日本海側に大雪をもたらす。これがないと日本派乾燥化する。

「地球のエネルギ-収支」

気温は太陽から受けるエネルギ-と地表面から宇宙空間に逃げるエネルギ-の収支バランスに

よる。放出がないと地球にはエネルギ-が蓄積されて温度上昇となってしまう。近年のCO2などの

温室効果ガスの増加はこの微妙なバランスを崩している。バランスは1~2Wの増加となっている。

地球の赤道付近はエネルギ-が蓄積され、この過剰なエネルギ-と極地の冷たい空気を、大気と

海洋の循環で平準化している。

しかしエネルギ-の蓄積は温暖化を齎し、地球の気候に大きな影響を与え始めている。

 

「コメント」

地球の気候は太陽系惑星の中でも、稀有なことで微妙なバランスで成り立っていることが

分かった。科学者のお蔭でそのことが分かり、産業革命以降の化石燃料の使用と人口増加が

それを崩し始めている事にも気付いた。そして、何とか防ごうと努力し始めた。そこにトランプだ。

環境保護は今や水戸黄門の印籠なのに。