210806⑥「全ての生物は電気発生装置」

生命と呼ばれるには、代謝という化学反応が秩序だって起こり、そのためにはエネルギ-が要る。

エネルギ-を、どのような形で、生命は得ているのかという話をした。

面白いことに、生命は代謝というのは化学反応だが、その元々を辿れば、プロトンの流れという物理的なプロセスを使って、エネルギ-を得ている。元々、太陽の光を使っているという事を考えると、

不思議なことではない。

 

今回は、その生命はどうして生まれたかに入っていく。

別の観点でまず話をする。

「原子の化学結合」 安定な状態を求めて

生命は、本当の根源を辿れば、原子ないしはプロトンの流れに依存しているが、単に見える世界のレベルで話をすれば、化学反応という代謝である。基本的には、化学結合が出来るかどうかという事が、一番重要である。化学的に不活性な元素は、生命にとって役に立たない。2He  18Ar  36Kr・・・・

生命というのは、化学反応が出来る元素を、使うのである。

原子の構造で行くと、電子が2ケ、10ケ、18ケ、36ケとなると、原子の数が2ケ原子なり分子の間で、釣り合って結合が出来る。陽子と中性子が一体となって、原子が作られているが、原子の周りには当然陽子の数に応じた電子が無いと、電気的に中性にならないので、原子核の構造に対応して、周りに電子が分布する訳だが、その電子の分布を、きちっと計算していくと、陽子の数が増えて行くに従い、周りにまず2ケ、その次が10ケ、次が18ケと電子の数が、その時が安定だというそれぞれの原子に応じて状態が決まっていく。

(NaClの場合)

例えば、NAの原子の場合、正電荷の陽子が11ケ、負電荷の電子が11ケなので、電子1ケを棄てれば安定な10ケとなる。という事でNaは、10ケとなろうとする。一方17番のCL原子は、陽子も電子も17ケずつ。誰かが捨てた電子1ケを貰うと、安定な18ケとなる。という事で、NA原子とCL原子が出合えば、電子1ケをやり取りしてNACLの結晶が出来る。

(MgO)

酸素原子は電子が8ケなので、安定の10ケに足りない。そこで2ケ欲しい・2ケ出して安定する12番のMgがあると、Mgから電子を奪って、MgOが出来る。化学反応でどんなことが起きってくるかを、考えると電子が安定の電子の数に足りないか、余っているかを考えると良く分かる。

(生命が何故C炭素を使っているかの理由)

例えば、6番の炭素は第三周期のマジックNO2と10の中間の6である。6ケの電子。例えば、4ケ出して2ケとなるか、4ケ貰って10ケとなればいいので、4ッやり取りするという事は多様性がある。

結合という意味では多様性を生んでいる。こう言う原子は、他の原子に比べると多様な物資を作ることが出来る。

生命が何故炭素を使ったかというと、生命現象は電子の操作であって、化学反応というのは結合の組み換えと電子のやり取りに他ならない。炭素の場合は、数10種の元素と結びついて、多彩な科学構造を作れ、生命の目的に適っている。

生命が何で炭素を使っているかというと、炭素の便利な性質による。
・大量に存在したから

・利用するに便利な機能を持っていたから

因みに、宇宙で一番多いのはHで、次はHeOCである。生命発生装置は電子の流れである。

それが化学反応によっている。それが地球の上でどんな意味を持つのか。地球は多様な化学反応の舞台である。

これも、一番元まで行けば、結局は電子とか陽子の流れに行き着く。そういう観点で、地球は巨大な電気回路である。

生命は、その電気回路にプラグを挿して、エネルギを貰っている電球なのである。そういう観点で生命を、説明していく。

 

(生命の起源)

生命の起源を考えるとき、ある時、そんなことが突然生まれる訳ではない。基になる情報がなければならない。熱水噴火孔で、生命が生まれたのではないかと言う考え方があるが、熱水噴火孔というのはまさに、地球の巨大電気回路みたいなものを体現しているものである。そこで、電子や陽子の流れ、分子の形成みたいなことが起こっているが、それを生命は参考にしたのではないかという様なことが、生命の起源を考えるときに有力な考えとしてある。地球における電子の流れを少し考えてみよう。電気回路というと三つの要素からなる。電気を押し出す電源、電子を流す導電体、流れた電子を受け取るもの。地球を織り成す大地とか海、生物はこれらの回路要素のどれかに位置している
例は電子、電子というのは還元型の物質が、火山噴火を通じて、出てくることによって供給される。鉱物は電気の負極となる。電子を選ぶのは、何処かというと、海底の上にある海水が、電子を運ぶ導線になる。最終的には、電子は大気に入る為、大気は電気の正極になる。

実際どうやって、微生物が誕生したかはこれからの話しであるが、微生物が登場すると微生物は、周囲の還元型の岩石よりエネルギ-を貰って生きる。

熱性噴出孔の周りに、住んでいる微生物は、沢山ある。元々は、微生物の代謝を通じて、生物は熱性噴火孔で生まれたのではないかという考えが出てきたのである。

これは分かり易く言うと、自然界にある電子の流れにプラグを差し込んで、電子を使いながら生きるというのが微生物。

こうして周りの岩石を酸化していく。
こうした過去の名残が地球表面に沢山あって、それが酸化された鉱物の層状の地層となっている。

原始的微生物は色々なエネルギ-源を探したが、鉄の反応を利用した微生物が増えた。これが今、人類は太陽光などを利用しようとしている。

 

人類が何故誕生したかという根源的な事に関わる。生命は誕生することによって、地球という惑星の電子の流れを加速し、効率化しているともいえる。それは更に通俗的な物質においても言えるが、例えば植物が地上に進出すると、根を張って、根から水を吸い上げて、葉から蒸散する。電子ではないが、水という物質の流れを、植物を介して、効率化しているともいえる。

 

生物の進化というのは、地球上における物質やエネルギ-の流れを、効率化するために、生物が生まれたのであるともいえる。

私はそういう立場で、生命の起源や進化を見ていて、そうだとすると、地球型生命というのも、いくらでも議論できると思う。

(酸化と還元)

今まで出てきた話は、基本的に酸化、還元=電子とエネルギ-が伝達するのを、科学的表現で言ったことである。

酸化還元反応というのは、ある物質が、他の物質に一つ以上の電子を、やったり取ったりする反応を言う。

還元というのは、ある原子、分子、イオンによる一つ以上の電子の獲得。電子を失うと酸化。
電子というのは、必ず陽子(プロトン)とも、対になっているので、Hイオンのやりとりとも定義できる。

酸化と還元は同時に起こっている。
酸化還元反応は、電子とエネルギ-の伝達に使われているという言い方も出来る。

 

生命は何故この酸化還元反応を利用しているのか。

今までエネルギ-の発生や微妙な糖作りで専ら、酸化還元反応を使っている。

今まで化学反応と電子或いはプロトンの流れという事で、生命の色々な現象を説明してきた。その起源というのは、

基本的には、必要な分子がどう作られるかというという事が、第一である。脂質、糖、炭水化物、核酸、蛋白質。

こう言う分子がどう作られるかという事が、生命の第一歩である。
生命の起源を考えるときには、化学変化がどのように起こったかを、考える必要がある。
これは、反応であるから、各元素の電子の在り方、やり取りによって決まっている。

問題は、そのような反応が進む場がどこかということになるが、その一つは、いずれも地球上の表層であるが、大気であったり、海中、海底であったり。微生物の発生は、色々な場面が考えられる。

 

「コメント」

一つ一つは難しくはないが、どうしてカルチャ-なのにくどく何度も、同じことを言わなければならないのか。わざわざか、今の学生が理解できないからなのか。早く核心に。