210910⑪「生物進化が起きる惑星の条件」

前回は地球と地球もどきの惑星の違いを生み出す背景として、生物進化が起きるか否かという事が重要だと話した。

特に重要なのは何かというと、その酸素発生型光合成生物が、誕生した事である。

太陽のエネルギ-と水を食べる生命であり、シアノバクテリアの種類である。

「シアノバクテリアの誕生」 全球凍結との関連 多細胞説物の誕生

何時生まれたかというのが重要な問題である。生命の痕跡を辿ると言うと、普通は物理化石・分子化石である。

生命が生きていると細胞壁は脂質で出来ているが、これは岩石の中に残っていることが考えられる。

それらしいものが幾つか調べられている。

・グリ-ンランド イスアの堆積岩   38億年前

 堆積岩という事は、当時海があったことの証拠となる。又鉄鉱床や炭素同位体比のずれから最古

 の生命活動の痕跡とも言われる。当時の地球環境が安定していたことを示す。

・西オ-ストラリア ピルバラ地塊

 アペックスチャ-トと呼ばれる岩石群の中に、シアノバクテリアの微化石に似た構造は、酸素発生

 光合成生命の最古のものとされた。現在は論争中。

 

・シアノバクテリアの誕生で、太陽光を大量に利用できることで、水を分解できるようにもなる。

水の分解には多くのエネルギ-を、必要とするから。

・しかしこれにより発生する酸素から、生命体は防御する必要に迫られた。又太陽光の紫外線も、

 生物には有害。

・また生物の必要栄養素として窒素があるが、窒素は結合が強力なので、自然で分解できるのは

 雷だけ。稲妻でエネルギ-で窒素分子を、窒素イオンに分解して、生物は利用する。

 シアノバクテリアは、窒素分解が出来るので、余剰分を排出し、他生物が利用する。

 故にシアノバクテリアの誕生は、生物進化のスタートとなった。

 

太古代は温暖であったが、原生代に全球凍結という大きな気候変動があった。

これがシアノバクテリアの誕生と関連しているとの意見がある。

・ホフマンの論文

 原生代地層調査で、二度の全球凍結があったと主張。原因は大気の温室効果の低下。これは、

 メタンハイドレ-ドとされる。

・此の全球凍結の後で、火山活動などによる炭酸ガス温室効果で全球凍結から脱する。そして、

 多細胞説物が一気に誕生する。故に地球と生命が、相互作用をして環境変動とか、生物進化を

 もたらしていると分ってきた。

 

全球凍結という環境変化が、地球に進化をもたらしたのだ。逆に言うと、生物の進化はそう言った

大規模な環境変化が、必須であったともいえる。

この因果関係を議論するモデルの事を、スノーボ-ルアース仮説という。

 

「コメント」

 

地球と宇宙の壮大な歴史と仕組みには、ただただ驚くばかり。これを研究している人を尊敬する。