210917⑫「フェルミの問 宇宙生命は居るんだろうか」+

50年前にフェルミはこの問題・フェルミのパラドックスと言われる問題を提起したが、今も通用するので紹介する。   フェルミ イタリアの物理学者 ノーベル賞 原子爆弾のマンハッタン計画に参加

(フェルミのパラドックス 宇宙生命は居るのか)

宇宙には無数の星がある。そして星の中には、太陽と似ているものが沢山ある。それらの星の多くは惑星を持っており、惑星の中ではNCOHの簡単な化合物で出来、大気と水を持つものが限りなく有るだろう。

(ファルミの問いの要約)

中心の星(恒星)から惑星の表面にエネルギ-が、地球で言えば日光が注がれれば、沢山の有機化合物が合成される海は、暖かいスープとなるだろう。

これらの化合物が反応し合い、複雑な組成の生物を発生させ、遂には自己増殖系、即ち原始生命体が生み出される。この単純な生物は増殖し、自然選択によって進化し複雑化し、遂には活動し思考

する生物が出現する。

すると科学技術が生まれ、文明化が起こり間もなく、彼らは新世界征服の野望を抱く。まず近くの惑星に到着し、更には他の星の惑星にまで足を伸ばし、適当な環境の物を選んで移住するであろう。

遂には全銀河を旅するようになる。このような非常に高度な知能を持った人々が、有機物が十分にあり、適度な温度の、この美しい地球を見逃すはずがない。もしすべてが現実に起きていることとしたら、彼らはこの地球に来ているに違いない。一体どこにいるのだろうか。

 

この問いかけは50年前の話しである。この問いが陳腐化していないかという事であるが、殆ど正しいが、その後の科学の進歩で、今、問を抱くとしたら、もっと具体的になるだろう。文を個別に検討してみよう。

「宇宙には無数の星がある」

これは現在宇宙論の中でも理論づけられている。但し前提条件として、ビッグバンBig bang とかインフレ-ションとかあるし、宇宙は膨張していること、これはフェルミの時代にも分かっていた事実、現在では膨張が加速されていることが分かってきた。原因としてダ-クエネルギ-とかダ-クマタ-dark matter暗黒物質とかという事も分かってきた。

フェルミ時代に分かっていなかったことは、系外惑星という太陽系以外の惑星が存在するという事。

フェルミの言っていることは基本的に正しい。海と空気を持つ岩石惑星と言うのが、観測されたていたかと言うと、実際に
まだできてはいなかった。

ただ、ハビタブルゾ-ン Habitable zoneといって、中心の恒星からある軌道距離の所にある岩石

惑星は、海を持つだろうという事は、理論的に予想される。そういう位置に多数の惑星が発見されており、それらを詳細に観測すれば、実際に海があるかどうか確かめられるであろう。

「化学進化によって生命が誕生する」

既述したように化学進化による生命の誕生を紹介した。但し彼の時代では、海がある惑星であれば、即知的生命体が生まれるように彼は考えてが、それは可なり難しいと私は思う。

生命はこの宇宙で、遍く生れるかもしれないが、知的生命体はかなり難しい。これは生物進化と言うのは、かなり稀な出来事だからである。

「化学技術文明の発展とか宇宙探検に乗り出す」

次回で紹介する。

 

(Big bang、宇宙の背景放射)  

ここに研究が集中し、新しい事実が分かってきた。ノーベル賞も多く出た。

まずBig bangというのが分かってきた。宇宙に始まりがあってそれがBig bangという物であると。

宇宙に始まりがあってそれがBig bangというものである。その現実の観測として宇宙の背景放射と

いう物が分かっていなかった。

〇宇宙の背景放射→Big bangの時にでた光の名残で電磁波として、全方向から地球に

 やってくる。

宇宙のマイクロ波・背景放射、ガモフ(ウクライナ生まれのアメリカの物理学者)が予言しているので、フェルミも知っていたであろう。そして宇宙背景放射の詳細な観測が、行われてきた。この分野では

ノ-ベル賞が沢山出ている。特にBig bangに関して。

詳細な観測によって、宇宙の始まりがどうであったかという情報が、読み取れるようになった。その個々の情報に対して、ノ-ベル賞が与えられるのでBig bangというのが観測されたということ以外に、ノ-ベル賞はこの関係で出ている。

それともう一つ、現代の宇宙に星がとのように分布しているのかという観測が盛んで、現代の宇宙の構造と言うのが、物凄く詳しく分かってきた。それと最初の情報を導き出したことによって、実はこの宇宙はどうなっているのかという事実が良く解るようになった。

21世紀と言うのは、精密宇宙論の時代と言われる。例えば宇宙の年齢は138億年といわれるが、観測技術からどの程度言えるのか。ほぼ100%正しい。最近は宇宙のパラメ-タ-の数値が精密に求められている。

(宇宙の最初はどうだったか、野球ボ-ル大の地球)

宇宙の最初はどうだったのかという研究が進んでいる。この地球の物質が全て一点に集まったとして、野球ボ-ル大の地球はどうだったのかという事は、確信を持って言える状況にある。しかしこれ

以上小さい状況の事はまだ答えられない。

(超弦理論とループ量子重力理論)  Big bang以前の宇宙はどうであったのか

時空(時と空間)にそれ以上の分割不可能な最小単位が存在することを記述する理論である。

現在は有力と思われる理論である。この二つの理論は、空間の連続性という問題や時間の存在と言う議論で、全く異なる前提を提案する。と言うのは、良く解らないという事。

私は野球ボ-ル大の宇宙から話を進めるという事にしているが、Big bangの前がどうであったかと

いう事に関して、二つの理論は全く違う事を言っているのである。

超弦理論 インフレ-ション理論となる

ループ量子重力理論 この宇宙の前は、この宇宙と同じものがあって、それが収縮して最後に一番収縮したものがBig bangで広がっていくことを繰り返すという理論である。

(物質と反物質)  物質反物質→物質が残る

この宇宙に生命が沢山いるだろうとフェルミも予言しているが、私もそう思う。まず宇宙は物質が存在するという事実がある。この事は物理的にどういうことかと言うと、宇宙が生まれた時に対称性と言う物を考えると、物質と反物質というものがある。これが完全に対称であったら、その後宇宙が冷えて行く過程で、物質は残らない。ただ放射があるだけの宇宙となる。どういう訳か、この宇宙ではその対称性が破れていて、物質が多いのである。その為に物質が残っている。物質があるからこういう生命の議論が出来るのである。

(物質は質量を持つ、その理由→ヒッグスの海での粒子の動きの抵抗が質量の起源)

物質性とは何なのか。物質と放射とは何が違うのか。→物質は質量を持つ。質量を持つ理由は、ヒッグスの場と言うのがあって、その宇宙が膨張して冷えてくると、宇宙はビッグスの海に浸される。
ヒッグスの海を粒子が動くと抵抗が生じ、その抵抗が質量の起源となっているのではないか。各粒子によってヒッグスの海との相互作用が違うので、それが質量の差になっているのではないか。

物質性と言うのは、ヒッグスの海がある所で生じている。だから物質が存在するもう一つの理由は

対称性が破れている、この二つである。

(生命を生む宇宙の条件)  

素粒子の存在  光の粒子、陽子、中性子、クォーク、ニュ-トリノ

私はこの講義で生命という物、地球という物、星という物、この宇宙におけるあらゆる構造に開放系と言う視点で、開放系と言うのがどういう風に時間的に変化しているだろうかと言う観点で、生物の進化も捉えようとしているが、開放系からなる世界と言うのが、現在の宇宙である。

それは重力と化学が支配する世界である。この宇宙が、そういう生命を生む宇宙だという、一番根源的な答えは何かというと、Big bangの前に化学法則の成立するに必要な、素粒子が準備されたという事である。それは何かというと、光の粒子である。それから原子核を作る粒子、陽子と中性子。

陽子や中性子はクォークと言う、更に小さな素粒子、それから電磁力の元になっている電子、更にもう一つニュ-トリノというものがある。これが何で重要かと言うと、ニュ-トリノがあるお陰で元素が

宇宙にばら撒かれるのである。星の中で元素合成が進む訳だが、星が爆発して星が爆発して元素を宇宙にばら撒かないと、この宇宙は化学反応が起きる宇宙とはならない。

化学反応に必要なこれらの粒子がどういう訳か準備されたのである。

従って生命が存在する宇宙になったのである。

(宇宙の起源と進化)  時間とは何か。

この宇宙の起源と進化に触れる。ハッブルが宇宙は膨張していることを発見した。その現象を理論家が考えたが、アインシュタインの重力の方程式を解いていくと、宇宙は膨張していくということが分かって、客観的事実が一致した。

我々が知っている宇宙と言うのは、物質があって時間が流れている。この時間と言うのがどうして生まれたのかというのは、中々答えは難しい。進化を考えるのに、時間が無いと困る。これの一つの

考え方を言う。

物理学の中に熱力学と言うのがある。その中に熱力学第二法則と言うのがあって、それは秩序が段々無くなっていくという風に変化していくという事を述べている。秩序に関連した概念としてエントロピ-と言うのがある。エントロピ-とは、不可逆性や不規則性を含む、特殊な状態を表す時に用いられる概念。混沌を意味する。

Big bangの時には、エントロピ-が低い。これは重力を考えると説明がつく。Big bangの時には宇宙が膨張していく中で、重力が強くなるので、水素ガスが冷えると星が生まれる。密度が高い部分が

銀河系となる。

Big bangから数億年して星や銀河が生まれた。

Big bang→水素ガスだけの暗黒時代→星誕生。

この時、ダ-クマタ-が作用している。ダ-クマタ-の正体は今もって不明。

(化学反応によって生命の誕生)  元素の準備が前提

簡単な宇宙の起源と進化であるが、化学法則が成り立つ宇宙はどうよって生まれたのか。

まず化学元素が用意されなければならない。化学元素と言うのは、星の中の内部の核融合反応で

作られる。

核融合反応は非常に高温の時期に起きるが、それは宇宙の最初の頃である。Big bangの頃に

最初の元素が生まれるこの時期は短いので出来るのは、HHe。その後、HHeとが集まって星が生まれると、星の中が高温になるので、再び核融合反応が起きる。

我々が知っている周期律表の元素は、星の中の元素合成、あるいは星が一生を終えて爆発で

出来るのである。
そして化学反応が起きているのは、銀河の中の色々な部分である。その化学反応の結果として、
生命が生まれたのである。

 

「コメント」

ずっと宇宙の歴史の話しなので生命との関係はどうしたと訝っていた。早く核心に触れてよと。

 

要するに生命誕生の条件の話しが主なのだ。