科学と人間①植物の不思議なパワ-  甲南大学教授 田中修

150508機能性成分の力

植物は三大栄養素を供給してくれる。炭水化物・蛋白質・脂質。

(炭水化物)

三大植物(米・小麦・トウモロコシ)が多く供給してくれる。生命維持のためのエネルギ-源。光合成でブドウ糖(グルコ-ス)を作る。

是が繋がって並んだものがでんぷん。

(蛋白質)

豆類に多く含まれている。蛋白質はアミノ酸が並んだもの。だから人間は蛋白質を食べてアミノ酸に分解してそして必要なたんぱく質を作り出している。

(脂質)

植物は色々な油を持っている。ごま油・オリ-ブオイル・コ-ン油・・・・

エネルギ-源になったり、生物の体は細胞で出来ているが、その細胞膜を作る成分に不可欠。そういう植物性油脂のもっとも大きな

特徴は不飽和脂肪酸を含んでいる事。リノ-ル酸・リノレン酸・オレイン酸。動物が作る脂質には、不飽和脂肪酸は殆ど含まれていない。不飽和脂肪酸の大きな特徴は、コレステロ-ル値を下げる・血液サラサラと、とても健康に良い。

 

これら三大栄養素に、ビタミンCとミネラルが加わって五大栄養素と言う。

(ビタミン)

ビタミンの種類  B・・・8種  その他・・・5種  合計・・・13種

其々の役割は人間の体の中の色々な体調を円滑に進めていく役割をもっている。

(ミネラル)

この役割も分かりにくいが、体の様々な機能が維持され、調整されていくために不可欠。

・キュウリ、これは世界一カロリ-の低い果実と言われ、カリュウムが多い。→利尿効果 老廃物の排出と、尿の排泄で体温を下げる

効果。トウガンも同様。

・ほうれん草・小松菜・モロヘイヤ カルシュウムを多く含む。

 小松菜はほうれん草の数倍、モロヘイヤは野菜の王様と言われる。特にモロヘイヤはカロテン・ビタミンB2・ビタミンCが豊富。

・海藻類にも多く含まれる。

(食物繊維) 水溶性と不水溶性がある。 腸から有害物質を排出する効果がある。

・水溶性  ペプチン(リンゴ)  コンニャクマンナン、グルコマンナン

・不水溶性  リグニン(牛蒡)

・食物繊維の王様  寒天 ほとんどが食物繊維からなる。

 

それから免疫力を高め、解毒力が強いものが機能性物質とも、第七の栄養素とも呼ばれる。

・トマト リコペン・カロテン・ビタミンCと典型的な機能性物質が含まれている。

・緑茶 近年「認知症」予防効果が言われている。ビタミン豊富また含まれるカテキンでガン予防効果。大腸ポリ-プ予防に効果的。

・唐辛子 筋力回復効果  辛み成分のカプサイシン  寝たきり予防に効果的。 カプサイシン注射が試みられている。

・ブル-べり-  豊富に含まれるアントシアニンが骨そしょう症、眼に優しい。

・青ジソ  老化予防 ポリフェノ-ルが含まれる。しかし、効果を出すためには量が必要なので、サプリメントとして摂取すべき。

・みかん ベ-タ-クリプキサンチン  γGTP(酒飲み指数)の抑制

・赤ワイン レズラト-ル 近年特に注目され、長寿遺伝子の活性化、発がん抑制

・ブドウ 老化防止物質  オレアノ-ル酸 

 ブドウの実の周りの白い粉、ブル-ムと呼ばれる部分。これは水をはじくことで、病原菌の排除機能を持ち、鮮度を保つ。

・ブロッコリ-

スルフォラ酸が、発がん物質を体外排出 発芽したばかりのスプラウトに豊富

 

この様に人間に役立つ機能性物質は今度続々と見つかっていくであろう。

要するに旬の野菜をたくさん食べることが健康に役立つという事である。

 

「コメント」

・子供は大概、野菜嫌い。長じて食べるように又食べられるようになるものである。しかし、大人でも嫌いな人も大勢。

 私もその一人であったが、今は大丈夫。特に畑をやるようになって旬のものの美味しさが分かり始めた。

・長生きしたいとは思わないが、健康ではありたいのでお茶を飲んでせっせと野菜を食べるようにする。是にはまずおいしい野菜を作る事が肝要だな。