科学と人間①「地球と生命の46億年史」       丸山 茂徳(東京工業大学 地球生命研究所特命教授)

160506⑤極端な原生代~2回の宇宙変動と生命進化

原生代は今から25億年から6億年前までの時代で、非常に極端な時代だったといえる。なぜなら地球全体が凍りつく「全球凍結」が2回もあったから。今回は、赤道まで凍りつく全球凍結という現象とそのメカニズムを解説する。そして1回目の全球凍結後に原核生物は真核生物へ、2回目の全球凍結後に真核生物は動物へと進化した。そのよう生命進化の内容もあわせて解説する。

 

「第一回全球凍結」

極地を氷床が覆うという事ではなく、赤道まで凍りつくという状態の事を云う。第一回の全球凍結が終わった後、真核生物という大きな微生物が誕生する。宇宙の大変動が原因で全球凍結となったが、生物は絶滅して、これが終わると次に新しい生物が誕生してくる。それが真核生物で、新しい生態系が出来る。

「第二回全球凍結」

原生代の終り頃に二度目の全球凍結が起きる。これが終了すると、私達の祖先である大型の多細胞生物が現れて、

やがて文明を持つ惑星へと進化していく。

「全球凍結が何故わかるのか」

凍結の段階で、極地の氷は大きな岩石を抱きながら地球の海を動いている。そして溶ける段階でその抱いている岩石をその海底に落とす。その岩石を分析すれば極地の岩石が運ばれて赤道付近まで来ていた事が分かるのである。このような岩石をDrop Stoneという。

「全球凍結発生のメカニズム」

その原因は雲である。今の気象変動でも、人間が出すCO2が原因であるとか、その他の変動があるとかの論争があるが一番のポイントは雲の状態の変化なのである。一般に地球は50%位雲に覆われているが、これが1%変化したら気温は

1度C変化する。例えば15%、雲が増えたら、▲15度C、地球の平均気温は15度Cなので、地球の温度は0度Cとなり、

凍りつくとになる。雲の温度への影響は実に強力で、CO2の変動などとは比較にならない。

(何故雲が出来るのか)

宇宙線が地球に大量に降り注ぐと雲が出来ることは経験的に分かっている。宇宙線は大きなエネルギ-を持っている粒子で、これが雲の核になるものに当たると、これを細かく分裂させて雲の元を作り、これが雲となる。銀河系の中には、2千億以上の太陽のような恒星がある。その恒星は一定の割合で消滅し、誕生している。しかし、このバランスが大きく崩れて銀河系の中に多数の恒星が出来た時代があった。この時に超新星爆発が起き、大量の宇宙線が地球を襲う。これをスタ-バストという。この時に、先程のスト-り-で、全球凍結が起きる。

「全球凍結による生物への影響」

全球凍結で生物は死滅するが、残ったものもある。元に戻った地球環境の中でこの中から新しい生態系が誕生する。これは第一回、第二回全球凍結終了後に起きる。又第二回全球凍結終了後、真核生物誕生時に、酸素濃度が増加する。それでも現在の酸素濃度の1/100)、それは生物の光合成の作用である。そして徐々に現在の酸素濃度に近付いて行く。

 

「まとめ」

原生代というのは、極端な環境変化の時代である。二回の全球凍結が起き、それが元に戻って生命進化が起きた。最初の原核生物が、真核生物になりそれが今の生物の原型へと進化した。このような変化を統一的に説明できるメカニズムは、それは宇宙に原因を求めるシステムとしての変動である。宇宙に変化が起きると、地球は大気、海洋、生態系が玉突き的に変化していくのである。それを起こした原因の一つはスタ-バストなのである。もう一つは、磁場が弱くなるという

地球自体の問題である。

 

「コメント」

今回が一番大筋としては分かり易かった、しかし途中で理解不能、筋不明で省略を余儀なくされた部分もあった。

やはり、この講師は学者としての能力はいいものがあるのだろうが、国語力は小学生並み。議事録とって読んでみても、自分でも分からないのでは。