190825④「乳香とナツメヤシのオマ-ン」
オマ-ン
アラビア半島南東部の首長国。18世紀、現王朝が興り、19世紀にはイギリスの影響下。シ-ア派、スンニ-派でもない穏健なイバ-ト派。21万km2、人口240万。首都マスカット。
「特徴」
・冬場に出回るサヤインゲンは、殆どオマ-ン産。輸入インゲンの99%。
・イスラム教であるが穏健。シ-ア派・スンニ-派の対立の調停役として期待される。
・「千夜一夜物語」のシンドバッドは、オマーンの港から出航した。当時中東、アフリカ地区へ勢力伸長
させていた。ここに巨大な鳥「ロック鳥」が出てくるが、マダガスカルに居たとされる鳥で、オマ-ンと
マダガスカルとの関係が想像される。
・マダガスカルにコーランを書くために、和紙と同じような紙があるが、これはアラビア人が伝えた
もの。
・ダウ船 古代からアラビア、インド洋で使われた木造帆船。マングロ-ブ、アカシアを使い、木釘、
タ-ルで固定。大三角帆(ラテンセ-ル)が特徴。
「マングロ-ブ」
マングロ-ブは「森林全体」と、「種」を表す二つの場当てがある。前者をマングロ-ブ、後者を
マングロ-ブ植物ということになっている。マングロ-ブ植物は100種程度あり、主要なものは
ヒルギ科、クマツヅラ科、ハマザクロ科。オマーンには、ヒルギダマシ(コマツヅラ科)がある。
バーベナと同種。
「バアバフ」 オマーンにもある。
前述のように、バオバブはオ-ストラリア1種、アフリカ1種、マダガスカル8種。オマ-ンのバオバブはアフリカ種。学名 アダンソ二ア、アオイ科。
・植物の分類は、リンネに始まるとされているが、実際はアダンソン(仏 植物学者)である。彼が、
マダガスカルで、バオバブと命名した。後年、リンネがこれをアダンソニアと改名した。
・オマーンのバオバブは、花が大きくて、上向きに咲き、柄が長い。→アフリカ種の特徴を持っている。
・中東には無いので、アフリカから移植されたと思われる。
・二か所で見られ、一つは大木で直径4mの大木、もう一か所は直径2mで30本程度あった。
「乳香」
古くから西方地方で使われた香料。イエス誕生の時、当方の三博士が捧げたのが、黄金と乳香と没薬。カンラン科の植物の樹脂。カンランの落葉高木で、羽状複葉。幹を傷つけ、液を採取する。
没薬→カンラン科の植物から採取したゴム樹脂。香料、医薬、防腐剤に使われた。
・直径1mで、アラビア人にとって重要なもの。アラビア半島で生産されるのは、オマ-ンだけ。
・体臭を消し、清浄にする。線香のように死者の葬祭にも使われる。
・サムハライ遺跡というのがあって、乳香の倉庫跡。乳香を求めて、シバの女王が来たとの伝説。
・源氏物語にも、黒方と言って薫物の一種であり、これに乳香が入っているともいわれる。
・品質は色々あって、最上級は透き通った青色で、ガムのようにも用いる。口中清涼剤。
「ナツメヤシ」
ヤシ科の常緑高木。高さ20m。羽状複葉。雌雄異株。液果は、生食、ジャム原料、乾果など。
・オマーンには3000mの高山もあり、灌漑をして、ナツメヤシを栽培。オス1本に、メス100本程度で、
人工授粉。
・乾燥果実が,デーツ。栄養価が高く、カロリ-も、バナナの3倍。日本では、各種ソ-スに使われる。(焼肉・お好み焼・・)
「アロエベラ」 アフリカ原産
ヨ-グルト、食品、化粧品に、その薬効が利用されている。
・竜血樹 リュウゼツラン科ドラセナ属 赤い樹脂を分泌。これが着色剤、防腐剤。
・アデニウム 砂漠のバラ 観葉植物
厳しい自然の中で進化した奇妙な植物はそこの住民の生活に寄与している。訪れる機会があれば、ぜひ観察してほしい。
「コメント」
マダガスカル、ヒマラヤ、ギニア、オマ-ンとまさに秘境。当人が一番楽しんだであろうと思う。なんにでも興味を持ち、体力があって、現地食が食べられて、それが仕事の人しかできないことである。