230709②「文化戦争の諸相」

アメリカの分断、政治学の用語で言うと分極化 Polarization という言葉であるが、これを巡って今はどういう状況にあって、それはどういう影響があって、乗り越えられるとすればどういうやり方だろうというようなことを話す。これが5回の講座の流れである。

現状と20~30年前のアメリカ

前回はその分断の状況に触れたが、今回は文化戦争の諸相 という話である。移民の話から始めて妊娠中絶、同性婚、ヘイトクライム、銃規制の話をする。ただ前回の話に少しだけ戻ろうと思う。分極化、分断とは何か。アメリカの政治が例えば政治の中にいる人たち、大頭領とか一般の国民 政党で言えば共和党民主党、その極は離れてしまって離れるだけではなくて、保守は保守の中でリベラル派はリベラルの中で同じような考えで固まってしまっている。この現象はこの講座のリスナ- 私より10~20歳上が多いと思うが、20~30年前のアメリカはこうではなかった。この10~15年位で分極化のスピ-ドが上がってきている。この差は驚くほどである。住んでいる場所、生活スタイル、世界観、更には文化の戦争と言われる様に、様々な争点で争っている。しかも根底にあるのは文化なのである。

よく言う話であるが、25年前には多くの人の考え方は真ん中にあった。それがその後右と左に分かれてしまった。調査の仕方もあるが有名なのはピュ-リサーチセンタ-で、政治の争点を色々な人に聞いたら、90年代だとリベラルな人と保守な人、民主党支持者と共和党支持者の意見は意外と重なっていた。それが逐次左と右に分かれて行った。聞いた質問であるが、今日話する妊娠中絶、同性婚、移民だったり、この争点に対する見方は両者で重なっていた部分があった。所が現在はこれが重ならなくなって離れてしまった。まさに文化の戦争という形であって、政策的にも両派は重ならなくなってしまった。そして互いに理解しあえなくなってきている。立ち位置がどんどん離れていく。文化戦争の形で、移民に始まって銃規制に至るまで文化戦争の様相となっている。根本にあるのは多様性に対する見方である。アメリカというのは多様性を志向していく国であるが、とはいっても行き過ぎだとの見方が強くなってきている。個別の話をする前に一つだけ話す。

コロナに対する保守の見方

世界最大の死者を出したコロナ感染国であったアメリカでは誰でも感染すると思うが、コロナに対する対策と支援は保守の人達から見ると、コロナはリベラル派が多いニュヨ-クなどで広がっている。だからバイデンは必死に対策をやっていて、コロナで仕事に行けない人への給付を手厚くしている。自分の支持者に対するプレゼントではないか。都市部を中心にあれだけ死者が多かったコロナであるが、この見解には一寸驚く。確かに共和党支持は、密ではなくて車で通っても誰にも会わない様な所の南部中西部に多いことは間違いない。そういう所からしてみれば、生活スタイルとして マスクをする、ワクチンを打つ 握手をしてはいけない ハグはダメ というのはピンとこないのである。この様にコロナ対策に対する考えにも党派性を感じる。現在は総てのことに党派性を感じるのが今のアメリカである。

共和党 大統領候補のデサンティスの公約

2023年夏は大統領選挙の予備選のスタートである。共和党のトランプ候補に対して二番目と見られるデサンティスフロリダ州知事がいる。こんなことを言っている。「民主党は多様性とか移民問題 同性婚 LGBTQ ヘイトクライム 銃規制など言っているが、これはWokeness意識高い系である。それとの戦いである。奴らはやり過ぎなのだ。本来のアメリカは違う。本来のアメリカを取り戻そう」    Wokeness 目が覚めた状態 を言う。

意識高い系 というのは若者言葉として定着している。Wokeness ウォ-クネス 社会手的不公正に対する意識である。

これをつぶすのがデサンティスの最大の公約なのである。

文化そのものが選挙の争点となり、この言葉に保守派は賛成なのである。

 

今日は五つの問題について話す。移民、妊娠中絶、同性婚、ヘイトクライム、銃規制。

移民問題 移民はプラスか

最初はアメリカの根幹にある移民問題。アメリカはそもそも移民で作られた国である。Native Americanがいたという話は今日はおいておく。ヨーロッパからの白人、奴隷貿易もあったので黒人で作り上げたのである。アメリカのコインにラテン語で次のように書いてある。「多様の中で一つになる」プル-ラリズムという言葉がある。Plural というのは複数であること、多様性とも訳される。多元主義が一番ぴったりする。これが国是である。これがアメリカのポイントである。

ただこの国是である移民と多様な人々がいるということを、どこまで積極的に自分たちの中に取り込んで、許容するかということへの意見は分かれる。

アメリカは建国時より19世紀の初めまでは英・独・仏と奴隷の黒人が入ってきた。そして19~20世紀半ばまでは南部ヨーロッパ・イタリア、ギリシア、ユダヤの人達、その後はアジアの人達・東欧・アイルランド。この人たちを最初の人達は区別して新移民といった。現在はアイルランド言うとアメリカの真ん中にいる感じになっている。Ethnic white という言葉もある。白人ではあるがethnic系という意味である。そして移民した順に経済的社会的地位が上がっていく。要は階段を上がっていったのである。19世紀明治元年頃には日本から契約移民として入っていった。

 中国系 日系

大陸横断鉄道が1969年に出来た。それを西側から作っていったのが中国人。アジア系の人達も19世紀には入った。

しかしここからアメリカの難しさが出てくる。中国系の人々はパンを食べず魚を食う。生活様式が違う、アメリカに同化しない。こういう移民排斥の一番分かり易いパタ-ンの言葉が中国系に与えられた。日系にも同様である。それが移民規制になっていくのが19世紀末から20世紀である。1924年には排日移民法も出来た。

しかし第二次世界大戦以降、これではアメリカは世界のリ-ダ-として良くないという議論があって、移民法の改正をしながら1965年に大きく改正をして、以降一挙に移民に門戸開放をした。

簡単に言うと白人と黒人の流れがあって、その後アジア系が入り今はヒスパニックが入っているのである。アメリカンドリ-ムを掴む人もいるがそうでない人もいる。その中でこの階段にうまく乗れなかった人たちの中に、Native Americanがいる。最初から教育の機会が無かったり、色々困難な状況があった。その人たちをどうするのかというのも今日の大きなポイントで、どうやって平等を求めていくのかというアメリカの後の戦いであるが、又それにたいする反発もある。

移民は必ず経済にプラスになると見ている人たちが多いし、移民は経済を活性化させるということは1990年代まではよく聞いた言葉であった。ただ景気後退で雇用問題がという時には移民排斥の動きが常に出てくる。その時には同化できない中国日本が話題になる。

 Hispanicの人達

Hispanicも対象となる。Hispanicというのはスペイン語を話す人々言う意味。

中南米系、ラテン系という言い方もある。Hispanicの人達については1990年代に色々と研究がされ、あのHispanicの人達は結局アメリカに定住しないのだ。アメリカの根本文化であるアングロ、プロテスタントの文化には触れないで、カトリックの文化を持っていて、言葉もスペイン語でアメリカに同化できないのだということになる。

 中東 ムスリムの人達

2001年 9月11日。

 非合法移民 難民

これは色々な国からきている。アメリカとメキシコの国境から来る人が多い。メキシコ、ハイチ、ニカラグア、キューバ、グワテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス・・・。数か月をかけて陸路を歩いてメキシコに入りアメリカを目指す。移民はオバマ政権の時5~8万、もっと前の1990年 15万、1980年 20万。基本的には難民なのである。

基本的にはアメリカは難民をどんどん受け入れる国であった。それはアメリカは多様な国だという根本の所である。困っていて来たいのだったら入れましょうという国なのである。

しかし中南米の人達がメキシコ国境から入ってくると、通過点になるのがテキサス、アリゾナ、カリフォルニヤなどの南部諸州では猛反発である。治安の問題、雇用の問題、対応の費用などを懸念するのである。今は多すぎるのではとの世論が出ている。州ごとに規制方法を講じていて、難民をバスに乗せてNY、ワシントン、シカゴ など都市部のリベラルの多い所に送るケースが出ている。この人たちが社会の最下層に入って労働力としてアメリカを支えているのである。

 移民規制か入れるのかの議論

最近アメリカの物価がこれはコロナもあって移民を抑えていたので上がってきた。労働力不足なのである。

厳格な移民規制がいいのか、移民による経済的メリットが必要なのか難しい局面である。講師もアメリカによく行くが、カリフォルニアで調査をしていたことがある。全体的にサービス業で働く人の10%は非合法移民である。更にカリフォルニアでは非合法移民でも免許も取れるし税金も払う。一方雇用主にとってどうか。サギナス という所がある。スタインベックの 怒りの葡萄 の舞台で、世界恐慌の後大変な所であった。今は大規模レタス農家があり、その農家の人と話したことがある。そこには明らかに非合法移民が働いている。雇用主の話。「非合法移民が働くのはアメリカというのはそういう国なのだ。それで社会は動いている。それで賃金が抑えられて何とかやっていける。そうでなかったらレタスは高くなる。」

日本人からすると驚く所がある。というのはアメリカの成り立ちとは1924年の最初の移民法とかあったが、その前は非合法なんかないのである。入ってきたらもうアメリカ人というのが基本的な流れである。それが今はコロナで移民難民を含めて規制をしている所である。これがアメリカの物価高の一因なのである。

コロナの話であるがトランプ政権の最期の時に、難民の公衆衛生の為に=コロナの為に 難民受け入れを断ることが出来るというルールを復活させた。このル-ルは1940年代に作ったルールで公衆衛生法タイトル42という。しかし2023年の5月に大きな動きがあった。バイデンはやはりアメリカは命からがら逃げてくる人たちを受け入れるべきだというので、現在の12万5千人を上限として受け入れようとする。難民申請の話である。

ただトランプが止めていたので色々な国から殺到するのではないか、更にこれに反対する南部諸州は直ぐにNYにバスで送りつける事となった。さあ移民が押し寄せるぞという感じになっているが現状ではそんなことにはなっていない。

タイトル42があっても1万人くらいは入っていたので、恐らく今後は10数万人規模となろう。日本の難民の場合申請の中で実際に受け入れるのは1%以下、アメリカは基本的に30%以上。受け入れ数は覚えているがその割合は誰も記憶しないし様々な理由で議論にならない。アメリカは世界一の難民受け入れであったが、最近はヨーロッパ・トルコ・ウクライナのことでポーランドなどでも増えている。

中西部南部諸州は共和党支持者が多いので、移民を受け入れるのはバイデン政権の悪い政策と見ている人が多く、

移民そのものをやめるべきという議論もある。移民問題と共にアメリカを大きく割っているのが妊娠中絶問題である。

妊娠中絶 最高裁判決で州ごとに決定できることになった

日本では女性の優生保護であって当然の権利となっているが、アメリカではキリスト教に熱心な人たち・キリスト教原理主義=福音派 南部中西部に多い にとっては子殺しなのである。子の命は神に与えられた。これは神のメッセ-ジをどう考えるのか ということになる。一方妊娠中絶は当然女性の権利と見ている人も多い。リベラル派である。リベラルというのは、キリスト教的伝統から自由という意味である。これをプロライフ(反対)とプロチョイス(賛成)という。この争いは長く続いてきた。そして南部中西部は中絶反対、それ以外は賛成が多い。ただその内にこんな問題が起きた。アラバマ州では妊娠中絶が出来ないので、ニューハンプシャ-・ワシントン・NYではできる というのは不公平ではないかとなった。憲法修正14条の 平等の観点からおかしいので改めるべきという動きがあって、それが1973年の最高裁判決で妊娠中絶を全米で認めた。ロー判決と言われる。ただ南部諸州は反対した。それまでは南部中西部では禁止、北東部リベラル派の多い所は可能であった。しかし2022年には再度最高裁でこの判決が覆った。ドプス判決という。そして州が妊娠中絶を決定することが出来るようになった。これは何かというとこの50年間でこのことは州で決定できるとする保守の判事を最高裁に送り込んできたのである。そしてトランプ政権の時に3人の判事が入れ替わって保守派多数となった。最高裁で保守派多数となったのは1930年代以降初めてであった。今後は州が妊娠中絶を決定することになった。しかし世論調査をすると容認派が65%となるが州毎に聞くと割れるのである。アメリカ50州で20州は反対である。これが文化戦争の一番の発火点である。リベラル派はどうしてアメリカは50年前に戻らねばならないのかと怒る。次のポイント三番目の話である。

同性婚

同じく宗教の考え方による分断である。日本ではまだパートナ-シップという形でいくつかの市レベルで進めているが、アメリカでは2013年の最高裁判決で全米で認められた。ただこれに対して最高裁の保守化もあり、いずれは同性婚も違憲となる可能性もある。同性婚はキリスト教の教えに反すると保守派は主張する。聖書には結婚は男と女が結ばれることで、子孫を残すべきであるとする。これは聖書では認められていないという訳である。いくつかの州では同性婚、性的マイノリティのことそのものを学校では触れないとする。それを扱う書物も学校から排除する動きがある。これも今後の

再高裁判決が注目される。この問題も妊娠中絶の問題と同様に南部中西部では反発があり、都市部では当然都市キリスト教的伝統には離れるかも知れないが、そこにも自由があるべき リベラルであるべきとする意見である。

ヘイトクライム

ヘイトクライムは憎むである。嫌う ということではなくて、心底から嫌いだ 嫌悪する ということである。本当にはらわたから嫌いだということである。私は人をヘイトすることは犯罪ではないかと思う。分かり易く言うと人種、宗教、障害者、同性愛者、出身国などに対して憎むことが原因となっている犯罪は、通常の犯罪よりより罰則が重くすることが必要であろう。ヘイトクライム対策は州毎に動いていて、州によってそれぞれである。いずれにせよ社会的影響の度合いを測りながら対応すべきであろう。有名な話であるが、同性愛者を狙った悪質な殺人事件が起きていて通常の殺人より重い刑が科せられた。これはアメリカが多様な国で、多様な故の難しさが現れている。ヘイトクライムの概念は1980年代くらいから出て来て、罰則強化の動きも出た。ただ原則的には州毎に対応するのがポイントである。アメリカは連邦中央国家であるがほとんどの刑法は州で対応している。州を超える犯罪にはFBI、司法省が出てくる。ほとんどの刑事事件は州が対応するのである。ただこの州が今日のポイントであり問題になるのが文化戦争のある州なのである。南部中西部に関してはこの差別とか憎悪に関する文化に繋がるのである。現段階で47の州と準州のプエルトリコでヘイトクライムが認められているが、南部中西部のワイオミング、サウスカロライナでは認められていない。もっと難しい所はヘイトクライムに敏感な州と無関心な州があることである。私の記事を見て私の所に取材に来るジャ-ナリストがいた。その人が「カリフォルニアはヘイトクライムが多い州ですね。とても差別が多い所なんですね。」という質問を受けたので「いやそうではない。」と回答した。カリフォルニアはヘイトクライムに敏感だからヘイトクライムが多いのである。FBIのデータによると驚くことに南部中西部が少ないのである。特にアラバマ州は年間0である。カリフォルニアは千以上あるのに。

これは完全に間違っている。アラバマというのは公民権運動のキング牧師の演説で「このアラバマで我々黒人の子孫と白人の子孫が手を取り合って遊べる日が来たら嬉しい」と言った所である。又ワシントンでの演説で 自分には夢がある という演説の中で アラバマでの差別が如何にひどいかと 言っている。そのアラバマにヘイトクライムが無いはずがない。要するにヘイトクライムと認定しないのである。黒人を殴った、Hispanicの人達を殴ったのは傷害事件であって、ヘイトクライムとは立証されないのである。ヘイトクライムに鈍感な州はヘイトクライムにならないのである。差別も文化であって、伝統とか文化に影響されているものなのである。確かにヘイトクライムは難しい。誰かを憎んだことで犯罪になるので、犯罪行為と憎悪は表裏一体である。そして人を憎むことを立証することは実に難しい。合理的疑い無い解釈が出来るかどうか。南部諸州では憎悪を立証しようともしないのである。FBIがデ-タを集めるが提出しない洲さえある。

コロナが中国から来たとして当時アジア人全体が狙われた。これは傷害ではなくてアジア人に対する明らかなヘイトクライムである。中国系日本人とかを対象に人種とか宗教など特定のカテゴリ-をターゲットにした犯罪なので、明らかにヘイトクライムなのである。このデ-タもなかなか分からない。

銃規制

最期にアメリカで続いている文化戦争の最前線の銃の話をする。結論で言うと銃による犯罪が多いが、我々が考える刀狩りのような形で、銃を取り上げることはまず色々な理由で困難である。そもそも銃の数は人口よりも多く、倍くらいであろう。更にアメリかは日本の25倍の広さ、人口は3倍。広大な辺境では自営の為に銃は欠かせないとする意識が強い。自分の安全の為に手放すものではない。犯罪が増えると更に銃の販売保有が増えるという現象がある。日本人は銃が増えることでより危険になると思うが。

 アメリカドンは銃を持つ権利を持っていてる

この現実的なことの外にそもそもアメリカの理念の中に、銃を放棄できないという理由がある。まず銃を持つ権利は憲法修正2条で認められている。よく訓練した民兵には銃の保有を認めている。この言葉は何なのか、よく訓練された民兵とは何か。イメージとして次のように考えて欲しい。アメリカはイギリスから銃をもって独立した。

アメリカ人はその独立した人々なのである。イギリスからの革命であったが、それを認めているのがこの規定なのである。

銃をもって革命する権利がまだ残っていると考える。よく訓練された民兵の解釈であるが普通は州兵 州に所属する兵隊を指すという議論がある。いやそうではない、アメリカの普通の人々を指すのだともいわれる。いずれにせよ銃を放棄するというのは憲法改正が必要なのである。大変な話なのである。

更に文化の話であるが、広大な南部中西部ではどうしても自衛のためには銃が必要である。アメリカが独立した時に人権として与えられた銃を持つ権利を奪うとはとんでもないという意見である。実際は共和党のゴリゴリの保守だけが銃を持つことを主張しているかというと、民主党の中でもピストル位は良いではないかという人もいる。バイデンが副大統領の時に銃の連続殺人事件があった。それはマシンガンであったのでそれは規制しなければならないがピストルは良いではないかといった。ピストルは Good Old Fasion 昔の良いファッション だといったのである。昔ながらのピストルはいいがマシンガンは規制しなければならないといったのである。又銃を持つ人のバックグラウンドをチェックして危ない人には銃を取り上げるというブレイディ法が成立する。更に難しい問題がある。犯罪の数を考えていくと銃による犯罪を、ブレイディ法と共に犯罪を減らしていく包括的犯罪対策法1993が通って、2003年に施行された。それ以降又犯罪が増えたので自衛のための銃保有が増えていく一方で犯罪が増えたといったが、要するに銃の数は増えたが犯罪の数は増えていないということなのである。それならはNRA全米ライフル協会 は銃を規制するのではなくて、もっと銃を持たせる方が犯罪は減るのだと主張する。これに反対する雰囲気はない。

しかしコロナの頃から状況が大きく変わった。コロナによる社会不安もあったのだろうが、銃による犯罪が増えている。

やはり銃の保有を抑えないと銃による犯罪は減らないという状況かも知れない。今年になって連続殺人、4人以上を銃によって殺害するケ-スが2023年前期で100件位あって我々は驚く。それで銃規制が叫ばれる。特にリベラル派が多い所ではとんでもないことなので、絶対規制すべきと特にマシンガンを規制すべきという。銃にアタッチメントを付けたらマシンガンになるものが普通に売られている。個人的に強く思うのは、銃による殺人事件よりも銃による自殺が多いことである。こちら方がむしろ多いのである。

銃規制の問題は難しい。その向こう側にそもそも我々の人権であるという所からスタ-トして、強く反発する保守派の存在がある。リベラル派が自分たちの勝手な意見で我々の銃を取り上げるというのは、人権侵害であると主張する。この差はとても大きい。

 

移民・妊娠中絶・同性婚・ヘイトクライム・銃規制 の五つの話をした。中々分かり合えない二つの極があって、この問題は議会・メディアでの議論を経て最終的にはこの分断をどうやって抑えていくのか、その方法は何かということを以降考えていく。

 

「コメント」

全体して陽気でおおらかなイメ-ジの外に、古臭くて頑迷固陋な南部中西部と、何でもありの都市部のリベラル派。

中国と同じて大きすぎるのだ。そしてその仕組みが連邦制という分断を助長する仕組みである。