210327

植物は自らを守るために毒を作っている。これは植物自身にとっても毒になるので自分もどう毒に堪えているかに疑問が湧く。これを自己耐性という。その方法として、植物細胞の中の毒を蓄える所に隔離する。そしてその植物を触るとそこから毒が出てくる。

「カンプトテシン」

中国原生のカンレンボクの樹皮と幹から単離された。著しい抗ガン活性が認められたが、溶けにくく激しい副作用があるので、この誘導体が開発された。トポテカン・イリノテカンが使われている。

その抗がん剤はどこかに溜まっているのではなく、全体に広がっている。カンプトテシンの毒性を発現するのは細胞の核に中にある酵素である。しかし突然変異が起きて、毒性が発揮できなくなることがある。
カンプトテシンはがん細胞に関して大きな阻害作用を持つが、効かなくなることがある。がん細胞が耐性を持ってしまったのである。植物が自己耐性を、がん細胞に付与したのである。

「ルピナス」

ルピナスの中にはアルカロイドを作る酵素を含むものもある。含まないものは牧草として利用されて来た。毒を植物が上手くコントロ-ルしてきたのである。

「遺伝子組み換えとゲノム編集」

大豆やトウモロコシなど様々な作物で。昔から農業で行われている「品種改良」の手法より、効率的に作物の品質を変えることが出来る。しかしそれによって生み出された作物への不安も根強い。これに関する各国の考え方は異なる。

植物テクノロジ-はここ30年で大きく進化した。一番はゲノム配列が分かったことである。
次は遺伝子組み換えという、外から植物に遺伝子を入れることが出来るということ。
例えば、
科学的に安全性が保障されているとして日本に輸入される大豆90%、トウモロコシ80%、菜種 相当数。日本で行われているのは青いバラのみ。日本は保守的である。
ゲノム編集は外から遺伝子を入れるわけではない。放射線を当てたり、化学物質を当てたりして、その中で用途に合ったいい物を選抜している。昨年からゲノム編集食品が届け出をすることで販売可能になった。今後増加するであろう。
STDS」 持続可能な目標→科学者の役目が大きい

地球は温暖化、環境破壊が進んでいるが、これ以上の悪化は何としても食い止めねばならない。

農業作物の高温、乾燥などへの対策、化石燃料使用の減少など課題は多い。

まだまだ解析できていない植物は沢山ある。ゲノム解読。

此の分野の日本の科学力は最先端であるが、国民の意識、政治のレベルはそうとは言えない。

更なる努力が求められる。

 

「コメント」

植物の、薬として、食料として、そして炭酸ガス吸収更には生存の仕組みなど人類への恩恵は深い。 植物研究の重要さは増すばかり。アナとの対談方式でやるのは実に分かりづらい。

講義だけでいいのに。