1706030「究極の素粒子を求めて」

「講師概説」

素粒子などを扱う量子論は、まだ謎に包まれた分野である。このシリーズでは、宇宙の誕生から

始まって、原子・原子核・陽子・中性子などと「もの」の実態を探ってきた。いわばミクロの世界である。

今後大いに発展すると期待されている。

・量子力学 広辞苑

 分子・原子・原子核・素粒子などの微視的物理系を支配する物理法則を中心とする理論体系。観測値の予言は一般に

 確率的に与えられるが、状態の変化を記述するシュレジンガ-方程式は因果的である。(注) 理解困難

「不確定性原理」  ハイゼンベルグが提唱  

量子力学における基礎的原理。原子や電子などミクロの世界では、一つの粒子について、位地と運動量、時間と

エネルギ-のように互いに関係ある物理量を同時に正確に決めることは不可能であるということ。

対称的にマクロの世界では、例えばニュ-トンの運動方程式でかなりの部分は説明できる。因果関係がはっきりして

いる。

「波動力学」 シュレディンガ-が提唱

シュレディンガ-は、量子力学も不確定ではなく、因果関係ははっきりしていて決定論的だと主張した。そして有名な

「シュレディンガ-方程式」を作った。しかし、研究の結果からこの方程式は正しく機能しないことに気付いた。

この例えとして有名な「シュレディンガ-の猫」がある。詳細は略。量子力学の発展に大いに寄与した。

「量子力学に対するアインシュタインの考え」

量子力学には因果関係はないとする考え方に対して、懐疑的で次のように言った。

(神はサイコロを振らない)→物理学には偶然はない、物理学は決定論的であるべきとした。

これに対して、デンマ-クの物理学者二-ルス・ボアは(アインシュタインよ、神が何をなさるかなど注文を

つけるべきではない)と反論した話は有名である。

「二重スリット実験」

量子力学の教科書の最初に出てくる粒子と波動の二重性を示す実験。量子力学の精髄と

言われる。これで電子は波であり粒子でもあることを示すのである。

「現在の量子力学」

我々は宇宙の事から、分子へ、分子を作っている原子へ、原子の中身の原子核・陽子・中性子へ、そしてクォ-クまでたどり着いた。現在はそれが究極のものなのかと考えている。そしてクォークは点の様なものと考えられていたが、最近はひものようなものと言われ出した。この考えはノ-ベル賞学者の南部洋一郎が提唱。これがひも理論とか弦理論とか言われるものである。

「超弦理論」

南部理論が手直しされて、超弦理論となっている。超ひも理論とも呼ばれる。宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子・素粒子・クォ-クと言った微細なものの、更にその先の

世界を説明する有力な候補として、世界の先端物理学で活発に研究されている。しかし今はまだ

確認されていない。

 

「まとめ」

この13回の講義でものとは何なのかを話してきた。我々が今まで知っているのは、実在するもの。

量子力学は実在するかは不明で、確率で表すものである。常識では考えられない分野を扱っているのだ。これからの発展が大いに期待されている。

 

「コメント」

最初から難解な話の連続ではあったが、最終回は超難解。殆ど理解できないが、ウナギのかば焼きの匂いぐらいは嗅いだ気分。人のどこまでも続く、好奇心に乾杯。

                            完